三輪そうめんブランド力強化へ、製・販と行政・銀行が団結！（2015Ｔｏｐｉｃ）

2/25（水）、奈良県三輪素麺販売協議会（池田利一会長）は、奈良県三輪素麺工業協同組合（池側善嗣理事長）、奈良県（産業・雇用振興部）、桜井市、南都銀行と共同で、奈良県政・経済記者クラブで記者会見を行った。ニュースを報じたNHKのサイトによると、


司会・進行は私が務めた。お隣りは和田悟部長（南都銀行公務・地域活力創造部）

三輪そうめん 新たな取り組み
奈良県特産の「三輪そうめん」の売り上げを伸ばそうとそうめんの製造・販売業者が行政や金融機関と協力して、ブランド力を高めるための新たな取り組みを始めることになりました。

1200年以上の歴史があるとされる奈良県特産の「三輪そうめん」は贈答用の高級品として全国に知られてきましたが、最近はそうめんの需要の低迷やほかの産地との競合で、生産量が伸び悩んでいます。こうした状況を打開しようと製造メーカーや販売業者が奈良県や地元の銀行などと連携して、新たな取り組みを始めることになり、２５日、関係者が奈良県庁で今後の計画を発表しました。


写真向かって右から、桜井市の松井市長、池田会長（三輪素麺販売協議会）、
池側理事長（三輪素麺工業協同組合）、森田次長（奈良県産業・雇用振興部）

計画では「平成１４年にほかの県で製造した商品を『三輪そうめん』として販売し国から改善指導を受けたことを教訓に、産地や品質などのチェックを定期的に国から受ける『地域ブランド』として新たに登録する」としています。また「品質を維持するため業者同士がお互いの製品を検査すること」や「地元産の小麦を使ったそうめんを開発すること」なども計画しています。販売業者でつくる奈良県三輪素麺販売協議会の池田利一会長は「産地をあげて競争に打ち勝っていくために一丸となってがんばっていきたい」と話していました。



本件に関するニュースリリースによると、今後展開する主な事業は

１．地域ブランドの取得
　（農林水産省「地理的表示」、特許庁「地域団体商標」 等）
２．共同商品の開発・販売および共同配送
３．販売拡大のための各種イベントの共催・出展
　（地元地域向け、関西・首都圏向け、観光客向け 等）
４．品質の維持・向上に向けた製販の相互検査の実施
５．地産地消の推進
　（取組例）食育に繋げていくための学校給食 等への提供、
　　　記念日の設定、奈良県産小麦を活用した商品開発の研究
６．製造・販売両者の意識啓発のための講演会・勉強会の開催
７．産官金が連携した意見・情報交換会の定期開催



この第１弾として、三輪素麺による「地域活性化セミナー」が開催される。参加無料・要申込。県のHPによると、

「三輪素麺」による地域活性化セミナー開催
内　容
○講　演
　「地域の『タカラ』を地域の『チカラ』へ～農観連携を目指して～」
○事例発表（発表順）
　 奈良県三輪素麺工業共同組合、奈良県三輪素麺販売協議会、桜井市、県農業研究開発センター
日　時
　平成27年3月6日(金)　15時～17時30分
申し込み方法
　チラシ裏面参加申込書に記入の上、ＦＡＸにて南都銀行公務・地域活力創造部まで（参加費無料）
場　所
　大神神社　大禮記念館2階大広間　（奈良県桜井市三輪1422）
この件に関して詳しくはこちら（報道資料＝PDF）へ



三輪素麺販売協議会（販売側）と三輪素麺工業協同組合（製造側）が手を組んだのが今年（2015年）の１月。今回はその第２弾として、行政（県・桜井市）と南都銀行が加わり、「三輪そうめん」ブランドを大々的に売り出す体制が整った。三輪素麺販売協議会の池田会長（株式会社池利社長）は奈良新聞（2/26付）に「揖保の糸のような統一ブランドをつくっていければ」とのコメントを寄せていた。

私は以前、当ブログに「三輪そうめんと揖保乃糸」という記事で、揖保乃糸のルーツは三輪そうめんで、江戸時代に三輪から製造技術が伝えられて誕生したという事実を紹介した。先ほどの奈良新聞によると《手延べそうめん都道府県別生産量（平成21年小麦使用量、農林水産省調べ）では、県は、兵庫（20,117トン）、長崎（13,566トン）両県に次いで、3,669トンで３位。19年以降減少している》。

揖保乃糸や島原そうめんに水をあけられたご本家・三輪そうめん。今回の連携をバネに、大いに売り出していただきたいものである。