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金融専門紙「金融経済新聞」の随筆欄「喜怒哀楽」は、様々な分野で活躍するビジネスパーソンが執筆する最終面の名物コーナーである。その7/2付に、社団法人 奈良市観光協会事務局長・長岡光彦さんが「癒しの都・奈良の魅力」というエッセイを執筆された。奈良には本当の本物があるが、奥ゆかしい奈良県人は、それをうまく情報発信できないでいる。しかし、それが逆に「放っておいてくれる気楽さがいい」と評価されている。県民の単位人口あたり自殺率も、全国最下位。のんびり、ゆったり、まさに奈良は「癒しの都」である。以下に全文を紹介する。
お水取りとして知られる「東大寺二月堂修二会(しゅにえ)」は、大仏さまが建立された奈良時代の752年から幾度の戦乱にも途切れることなく、千二百六十年間守り続けられてきた世界に誇る伝統行事です。毎年三月一日から十四日までの期間中、練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる11人の僧侶が二月堂にこもり、毎日ご本尊の十一面観音像に懺悔(さんげ)し、除災招福を祈ります。
二月堂の欄干で振り回される大きな松明が有名で、ご本尊にお供えするお水をお堂の井戸から汲みあげること(水取り)から「火と水の祭り」と思っておられる方が多いようですが、実は懺悔の法要なのです。奈良時代には、僧侶が民衆の代表として国家の安泰や民衆の幸せを願い、仏さまに祈りました。立身出世などの個人的願いではなく、世の中すべての安穏を祈ったのです。五体投地(ごたいとうち)といって自分の体を何度も床に打ちつけ、「南無観自在菩薩」とか「南無観」と、何千回・何万回も唱えて祈ります。このように懺悔し続ける行事が、お水取りなのです。
こんな話をして下さったのは奈良国立博物館学芸部長の西山厚氏です。練行衆に差し入れし、火の粉がかぶる欄干の真下で行事に参加。お寺好きにはたまらないこんな日々を過ごせるのは、私が奈良市観光協会の職員だからです。昨夏行われた職員募集に応募し、運よくご縁をいただき、37年間お世話になった南都銀行から転身しました。行内誌編集の仕事や観光ボランティアガイドの経験が役に立ったと、感謝しています。
ところで、奈良県は人口あたりの自殺発生率が人口10万人あたりで17人(全国平均は24人)で全国最少、ということをご存じですか。これは僧侶・神職などの宗教者が2万8千人と、人口ではるかに優る埼玉県や千葉県よりも多いことが影響しているそうです。悩みや心配ごとの解決には、宗教者の役割も大きいようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/87/b408d52aecaea5a62db2e3e46f84177a.jpg)
多くの社寺は、さほど人手をかけて手入れするわけでもありません。ありのままの姿をそのまま見せる奈良は、いま「癒しの都」という観点から人気を集めています。奈良は多くの観光資源に恵まれていますが、奥ゆかしい気質のため情報発信が後手に回りがちです。逆にいえば「訪れる人が少なく、放っておいてくれる気楽さが良い」と評価されています。本物がある奈良の魅力にはまった人たちは、何度も訪れるハードリピーターになってくださいます。のんびり、ゆったり、ぶらりと奈良を歩いてみませんか。奈良は、やさしくあなたを包み込んでくれることでしょう。
(ながおか・みつひこ=社団法人・奈良市観光協会事務局長)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/6e/4be946649d8f6a11c2211ceb396aa195.jpg)
観光協会と聞いても、具体的な事業内容はなかなか思い浮かばないかも知れないが、長岡さんのお顔は、市内のイベント会場などでよく拝見する(特に土日)。ちなみに、同協会HPの「主な活動内容」によると、こんなに多彩な活動をされている。
観光情報の提供
観光情報誌「大和の四季彩」、各種パンフレット、チラシの発行
ホームページ「深!発見なら」による情報発信
観光誘致宣伝
観光客誘致のための各種キャンペーンの実施
イベントの実施
「奈良大和路観光展」の実施他、伝統行事の保護
伝統行事の保護・伝承
薪御能、大文字送り火、采女祭など
観光産業の振興
伝統工芸品、名産品の展示、観光土産品の開発、郷土料理の研究に助成
広域観光の推進
京・伊賀・大和広域観光推進協議会への参加
観光案内、施設の運営
観光センター、各観光案内所、アイドリングストップ実践乗務員休憩所
行政、各種団体との連携、関係機関への要望
この4月には近畿日本ツーリストから専務理事を迎えて新体制となり、7月からはFacebookも始めた。そこには《奈良市観光協会では、平成24年7月からフェイスブックページを開設させていただきます。今までの奈良の観光情報では発信しきれなかった、ちょっとした情報や、路地裏の小さなお店情報、また、季節ごとの奈良の行事やお祭りなど楽しい・興味深い奈良を発信してまいります。また、協会職員が感じた素の奈良を掲載させていただき、たくさんのフェイスブックユーザーの皆様に、奈良の魅力をお伝えしてまいります。楽しみながら奈良の通になってみませんか。皆さんの「いいね!」をお待ちしています》《ミッション 豊かな観光資源を有する奈良の魅力の数々を積極的に紹介し、観光客の心をひきつけ、とらえる観光地づくりをめざします》とある。
「路地裏の小さなお店情報、また季節ごとの奈良の行事やお祭りなど楽しい・興味深い奈良を発信」とか「観光客の心をひきつけ、とらえる観光地づくり」というコンセプトは「いいね!」であり、しかも当ブログと同じ方向をめざしておられる。これは私も、うかうかしていられない。
長岡さん、奈良市観光協会の皆さん、たくさんのお客さまをこの「癒しの都」へお迎えください!
お水取りとして知られる「東大寺二月堂修二会(しゅにえ)」は、大仏さまが建立された奈良時代の752年から幾度の戦乱にも途切れることなく、千二百六十年間守り続けられてきた世界に誇る伝統行事です。毎年三月一日から十四日までの期間中、練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる11人の僧侶が二月堂にこもり、毎日ご本尊の十一面観音像に懺悔(さんげ)し、除災招福を祈ります。
二月堂の欄干で振り回される大きな松明が有名で、ご本尊にお供えするお水をお堂の井戸から汲みあげること(水取り)から「火と水の祭り」と思っておられる方が多いようですが、実は懺悔の法要なのです。奈良時代には、僧侶が民衆の代表として国家の安泰や民衆の幸せを願い、仏さまに祈りました。立身出世などの個人的願いではなく、世の中すべての安穏を祈ったのです。五体投地(ごたいとうち)といって自分の体を何度も床に打ちつけ、「南無観自在菩薩」とか「南無観」と、何千回・何万回も唱えて祈ります。このように懺悔し続ける行事が、お水取りなのです。
![]() | 東大寺 (別冊太陽 日本のこころ) |
西山厚 監修 | |
平凡社 |
こんな話をして下さったのは奈良国立博物館学芸部長の西山厚氏です。練行衆に差し入れし、火の粉がかぶる欄干の真下で行事に参加。お寺好きにはたまらないこんな日々を過ごせるのは、私が奈良市観光協会の職員だからです。昨夏行われた職員募集に応募し、運よくご縁をいただき、37年間お世話になった南都銀行から転身しました。行内誌編集の仕事や観光ボランティアガイドの経験が役に立ったと、感謝しています。
ところで、奈良県は人口あたりの自殺発生率が人口10万人あたりで17人(全国平均は24人)で全国最少、ということをご存じですか。これは僧侶・神職などの宗教者が2万8千人と、人口ではるかに優る埼玉県や千葉県よりも多いことが影響しているそうです。悩みや心配ごとの解決には、宗教者の役割も大きいようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/87/b408d52aecaea5a62db2e3e46f84177a.jpg)
多くの社寺は、さほど人手をかけて手入れするわけでもありません。ありのままの姿をそのまま見せる奈良は、いま「癒しの都」という観点から人気を集めています。奈良は多くの観光資源に恵まれていますが、奥ゆかしい気質のため情報発信が後手に回りがちです。逆にいえば「訪れる人が少なく、放っておいてくれる気楽さが良い」と評価されています。本物がある奈良の魅力にはまった人たちは、何度も訪れるハードリピーターになってくださいます。のんびり、ゆったり、ぶらりと奈良を歩いてみませんか。奈良は、やさしくあなたを包み込んでくれることでしょう。
(ながおか・みつひこ=社団法人・奈良市観光協会事務局長)
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奈良市観光協会の皆さん(同協会のFacebookページより)
観光協会と聞いても、具体的な事業内容はなかなか思い浮かばないかも知れないが、長岡さんのお顔は、市内のイベント会場などでよく拝見する(特に土日)。ちなみに、同協会HPの「主な活動内容」によると、こんなに多彩な活動をされている。
観光情報の提供
観光情報誌「大和の四季彩」、各種パンフレット、チラシの発行
ホームページ「深!発見なら」による情報発信
観光誘致宣伝
観光客誘致のための各種キャンペーンの実施
イベントの実施
「奈良大和路観光展」の実施他、伝統行事の保護
伝統行事の保護・伝承
薪御能、大文字送り火、采女祭など
観光産業の振興
伝統工芸品、名産品の展示、観光土産品の開発、郷土料理の研究に助成
広域観光の推進
京・伊賀・大和広域観光推進協議会への参加
観光案内、施設の運営
観光センター、各観光案内所、アイドリングストップ実践乗務員休憩所
行政、各種団体との連携、関係機関への要望
この4月には近畿日本ツーリストから専務理事を迎えて新体制となり、7月からはFacebookも始めた。そこには《奈良市観光協会では、平成24年7月からフェイスブックページを開設させていただきます。今までの奈良の観光情報では発信しきれなかった、ちょっとした情報や、路地裏の小さなお店情報、また、季節ごとの奈良の行事やお祭りなど楽しい・興味深い奈良を発信してまいります。また、協会職員が感じた素の奈良を掲載させていただき、たくさんのフェイスブックユーザーの皆様に、奈良の魅力をお伝えしてまいります。楽しみながら奈良の通になってみませんか。皆さんの「いいね!」をお待ちしています》《ミッション 豊かな観光資源を有する奈良の魅力の数々を積極的に紹介し、観光客の心をひきつけ、とらえる観光地づくりをめざします》とある。
「路地裏の小さなお店情報、また季節ごとの奈良の行事やお祭りなど楽しい・興味深い奈良を発信」とか「観光客の心をひきつけ、とらえる観光地づくり」というコンセプトは「いいね!」であり、しかも当ブログと同じ方向をめざしておられる。これは私も、うかうかしていられない。
長岡さん、奈良市観光協会の皆さん、たくさんのお客さまをこの「癒しの都」へお迎えください!
> 素晴らしいのは、すごいのは西山先生であり、「お水取り」であり、「奈良」です。
はい、その通りですが、なかなかその素晴らしさが伝わっていないのが歯がゆいところです。
> 法人フェイスブック開設、また、案内所ではWIFI機能が利用できるフリー
> スポットに。外国人案内業務の充実のため、中国・韓国スタッフ計4名の採用
遅まきながら、ようやく動き出した奈良市観光協会には、大いに期待しています。