tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

奈良で食べたいお弁当、2/5に発表記念イベント!

2009年02月03日 | 奈良にこだわる
奈良県農林部マーケティング課は、昨年「奈良のうまいもの」味わいグランプリ(お弁当コンクール)として、「奈良で食べたいお弁当」を募集した。
http://www.pref.nara.jp/norinbu/umaimono/ajiwaiG.html

その結果がまとまり、いよいよ2/5(木)、奈良ロイヤルホテル(奈良市法華寺町)1階ロビーで、「あじわいグランプリ発表記念イベント」(正午~午後4時)が開かれる。奈良日日新聞(2/1付)が「奈良で食べたいお弁当 5日、表彰と試食会 一般向け先行販売も」の見出しで、詳しく報じていた。
※イベントのパンフレット(PDF形式)
http://www.pref.nara.jp/norinbu/umaimono/09-ajiwai-tirasi.pdf

コンクールに入賞(優秀賞を受賞)したのは15作品で、うち業者が応募したのは12作品(50音順)だった。それは、

①禅弁当 ②大仏弁当 ③竹皮弁当 ④芳飯(ほうはん)弁当 ⑤まほろば弁当 ⑥大和三色おにぎり ⑦大和路ぜいたく弁当 ⑧大和路太子弁当 ⑨大和路弁当「南都の輝き」 ⑩大和高菜寿し弁当 ⑪大和の箱弁当 ⑫山のたからものfrom十津川

個人が応募したのは3作品で

⑬奈良三彩(いろどり)弁当 ⑭みやこうつり~遷都~―奈良育ちサンド― ⑮大和の味いろいろ三笠弁当


⑬奈良三彩(いろどり)弁当


⑭みやこうつり~遷都~―奈良育ちサンド―


⑮大和の味いろいろ三笠弁当
(以上3作品は、いずれも個人で応募され入選された作品。皆とても楽しい)

上記のうち、業者応募の8作品が、当日、個数限定で先行販売されるのだが、それは、

①禅弁当、②大仏弁当、④芳飯弁当、⑦大和路ぜいたく弁当、⑧大和路太子弁当、⑨大和路弁当「南都の輝き」、⑪大和の箱弁当、⑫山のたからものfrom十津川 である。価格は850円~1500円だそうだ。


②大仏弁当


④芳飯(ほうはん)弁当

このほかロビーでは、県内特産品の展示・販売、お菓子(奈良のうまいもの)の販売、県の事業から誕生した商品の販売なども行われるので、ぜひお越しいただきたい。
※受賞した全作品の写真が載った「奈良のうまいもの」ホームページ
http://www.pref.nara.jp/norinbu/umaimono/09ajiwaiG-after.html

入賞した15作品だけでなく、一般の人たちによる人気投票の上位5作品も決定した。それは上記の②大仏弁当、⑬奈良三彩(いろどり)弁当 のほか、大和づくし弁当(⑯)、鹿弁(しかべん ⑰)、雑穀入り山菜おこわのおにぎり弁当(⑱)である。


⑯大和づくし弁当


⑰鹿弁


⑱雑穀入り山菜おこわのおにぎり弁当
(以上3作品は、いずれも人気投票で選ばれたもの。アイデアが秀逸だ)

当日は、1階でのイベントとは別に、2階で上記18作品の関係者などを対象とした表彰・発表試食会も催される(午後1時~3時)。私は「奈良のうまいもの」づくりの部会委員を仰せつかっているので、この表彰・発表試食会に出席させていただく予定である。

さて、この記事に貼らせていただいた写真は、昨年の第二次審査(応募104作品のうち、書類審査を通過した23作品の現物審査 08.11.11実施)の際に撮影したものである。完成品のほか、大皿に盛った審査員試食用の料理が並び、それは壮観な眺めであった。




上記の2点は、①禅弁当(=冒頭写真)の試食用の大皿

私は、23作品すべてを少しずついただき採点したが、これは思ったより重労働だった。山菜おにぎりや高菜寿司など、特徴のあるご飯ものが多いので、これをくまなく食べて味わっていると、途中で満腹になってしまうのだ。「料理の鉄人」の審査員も、案外シンドかったのかも知れない。

ともあれ、無事審査も済み、あとは2/5を待つばかりである。当日の模様は、追って当ブログに掲載する予定なので、お楽しみに。
コメント (2)
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「吉野ハート」アド箸プロジェクト

2009年02月02日 | 林業・割り箸
以前(08年秋)、当ブログで2度にわたり、ハートツリー(株)などが推進する「吉野ハート プロジェクト」を紹介した。
※吉野ハート プロジェクト
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/663ef93b2f8a46bc2d9ff4b9e4f6da70
※ハートツリーの「吉野の地域産業を発展させる会」
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/35c7323ca0693e9852f4a7367e433bdf

「吉野ハート(Yoshino Heart)プロジェクト」とは、《平成20年10月4日、奈良県吉野郡大淀町において開催された、「『吉野の地域産業を発展させる会(仮称)』発足説明会」(主催:ハートツリー(株))にて本格的にスタート。ハートツリー(株)がマーケティング、ブランド・マネジメントにより創造する木製品の新たな需要に対応する窓口として、吉野地域の林業およびその周辺事業者の組織化をめざし地元事業者等に広く参加を呼びかけており、平成21年春を目途としてNPO法人化を検討中》。
※Yoshino Heartプロジェクト(奈良新聞に掲載された記事広告 09.11.27付)
http://www.nara-np.co.jp/special/yoshinoheart/
※上記記事のPDF(8面)
http://www.nara-np.co.jp/special/yoshinoheart/img/yoshino08.pdf
※同(9面)
http://www.nara-np.co.jp/special/yoshinoheart/img/yoshino09.pdf


プロジェクトの仕掛人、ハートツリー(株)の服部進社長(08.10.4撮影)

※服部社長へのインタビュー記事(日経BPネット (1)~(3))
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20081205/117793/
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20081212/119146/
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20081219/120931/

《 「アド箸」や「間伐材ペーパー」など身近な木製品から「Yoshino Heart」ブランドの浸透を図り、住宅用建材などの主伐材の需要拡大につなげる計画で、将来的には、林業周辺産業だけでなく、農産物や食材、観光等、吉野地域のさまざまな産業の振興にも「Yoshino Heart」ブランドを活用し、吉野地域全体の活性化をめざす》(以上、南都銀行のニュースリリースより引用)というものだ。
http://www.nantobank.co.jp/news/090109.htm




吉野の製箸工場(08.9.4 同僚のNくんが撮影)

このプロジェクトは、順調に進展している。まずは08年10月14日から、和食レストラン「かごの屋」におけるアド(広告)入り割り箸の配布がスタートした。続いてナチュラルローソンでの配布も決定した。ハートツリーのHP内にある芝ちゃんのブログ「Happyまるけ」によると、
http://heart-tree.com/index.html

《11月25日より、ナチュラルローソンの割り箸が全部吉野の割り箸に変わります!日本の割り箸のほとんどは中国産。なんで?・・・理由は安いから。中国産の倍はしてしまうであろう国産割り箸の値段。アドバシは、その箸袋に広告を載っけて、そのスポンサーから得た広告収入を国産割り箸の製作にあてようという取り組みです。http://ecomedia.jp/wp/ そうすることによって中国産と変わらないコストにできます》。


吉野郡川上村の森林(冒頭の写真とも 08.9.1撮影)

《これってHappyまるけ(みんながHappy)な取り組みですよね!使う人も安心な割り箸を使えるし、広告載せた企業も絶対見てもらえるし、好感持ってもらえるし、日本の割り箸を使うっていうことは、林業・製材屋さん、割り箸を作ってるおじーちゃんおばーちゃん、そして、山もHappyになるっ!!ってことに繋がるし》。

《残念ながらナチュラルローソンは関東にしかないので、関東在住のHappyな皆様、ぜひナチュラルローソンさんへ!自転車で1時間くらいの距離なら行くんだけどなー。コンビニを選ぶ基準も近い!より、Happy!になるといいですねー♪》。
http://yoshinoheart.jp/?p=diary&di=62165


スポンサー(ロッテ)の広告が入った吉野割り箸(ヒノキ製)

その後(11/20と12/17)、吉野の間伐材などで作った紙をジャケットにしたCDが相次いで売り出された。そして、いよいよ本年2月中旬からは、「せんとくん」のイラスト入りアド箸が、ナチュラルローソンで配布されることになった。地元の南都銀行が、吉野割り箸のPRと、平城遷都1300年祭の首都圏での告知のために制作・配布するもので、総配布数は14万膳だそうだ。
http://www.nantobank.co.jp/news/090109.htm


せんとくんアド箸の箸袋(見本)と吉野割り箸(09.1.9 撮影)
http://heart-tree.com/information/090113.pdf

これらの箸には、3.9マーク(サンキューグリーンスタイルマーク)と「木づかい箸」の表示がついている。これは林野庁の「木づかい運動」に協力しているという意味である。最近は、あちこちでこのマークを見かけるようになった。


春日ホテルの万葉弁当(=奈良のうまいもの 08.10.30撮影)

木づかい運動とは、南都銀行のニュースリリースによると《林野庁が平成17年度に取り組みを開始した国民運動で、国産材の積極的な利用を通じて山村を活性化し荒廃した森林を整備することにより、CO2をたっぷりと吸収する元気な森林づくりを進め、京都議定書の削減目標3.8%の達成をめざすもの》。


万葉弁当についていた木づかい箸(同上)

《当初、京都議定書の削減目標▲6%の約3分の2に相当する3.9%とされていたが、平成19年4月、基準年の温室効果ガス総排出量の増加により3.8%に修正された。なお、木づかい運動のロゴマークは従来通り「3.9」の表示で使用される》。



上の写真は「木づかい箸」のデザイン見本である。学生にデザインを依頼したそうだが、箸袋に切り込みが入っていて(木づかい箸の文字の右)、そこに箸袋の頭を通して折り曲げると箸置きになる。しかも、天辺(てっぺん)にくぼみをつけて横から見ると「ハート型」になるという仕掛けになっている。

身近な割り箸からスタートした「吉野ハート プロジェクト」。このプロジェクトが、これから木製品や建築材へと波及し、木材の利用→植林→伐採というサイクルが回り、過疎化した吉野の山村を活性化してくれることを、大いに期待している。
※参考記事:「国産材が復権の兆し」(日経MJ 09.1.19付)
http://heart-tree.com/information/090126.pdf

※冒頭の写真は、吉野郡川上村での間伐の様子(09.2.8 撮影)
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烏土塚古墳と西宮古墳

2009年02月01日 | 奈良検定
《(32)竜田川右岸(西側)にあり、巨石の横穴式石室を持ち、東側面に斜格子文を刻む石棺が納められていた前方後円墳はどれか ア.宮山古墳 イ.烏土塚古墳 ウ.三里古墳 エ.西宮古墳》。

これは、昨年1月に実施された「奈良まほろばソムリエ検定」奈良通1級試験に出題された問題である。「ア.宮山古墳」は、御所市室にある古墳で、室大墓(むろのおおはか)とか室宮山古墳とも呼ばれている。これは、地理的に全く違う。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/57acc436153f81eab2718a125e4d5ec3

「ウ.三里(みさと)古墳」は平群町三里にあり、玄室の奥に石棚のあるのが特徴だ。この古墳は竜田川の「東岸」にあるから、これも違う。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/a4c05448b5ff951a28e03082bc675115

1/31(土)、残る「イ.烏土塚(うどづか)古墳」と「エ.西宮古墳」(どちらも竜田川西岸にある)を訪ねてきたので、ここで紹介する。


近鉄竜田川駅下車。南側の踏切を越えて坂を登るとこの標識がある

これらの古墳については、当ブログ常連コメンテーターの畳薦さん(平群町在住)が、「平群の古墳探訪」として、現地レポートを書いて下さっている(上記「三里古墳」記事のコメント欄)。引用させていただくと、



《烏土塚古墳はかわいそうに住宅地に浸食されて石垣の腰巻きを巻いて、やっと残る。姿の美しさが欠けるが墳頂に登り、南側の横穴式石室開口部に至る》。これは巨大な古墳である。平群谷で最大だそうだが、閑静な住宅地の中に屹立(きつりつ)しているさまは、圧巻である。写真を撮っていると、近所の子供に「旅の人?」と声をかけられた。




墳頂からの眺望。中央の小高い丘の向かって左が西宮古墳




ここを降りると石室に至る

《石棺の蓋はないが形態は残る。天井石が巨大。墳頂からは西宮古墳の開口部が見えた》。墳頂から坂と階段を降りると石室がある。真っ暗闇で不気味である。カメラの感度をISO1600に設定し、柵の間から何とか石棺を撮った。




ストロボがなければ、真っ暗闇だ

『奈良まほろばソムリエ検定公式テキストブック』(P107)によると《花崗岩の巨石を用いた両袖式の横穴式石室》《玄室の石棺東側面には斜格子文の線刻が見つかり、県内での石棺装飾の数少ない類例である》。つまり冒頭の問題の正解は「イ.烏土塚古墳」なのである。

なお「玄室」とは遺骸を納める主室のこと。「両袖式」とは、羨道(せんどう=入口通路)と玄室の境目の両側に袖石がある形式のこと。テキストにはこんな用語解説がないので、「古墳の説明はチンプンカンプンだ」といわれるのだ。


平群神社

頂上から西宮古墳が見渡せるので、場所はよく分かる。住宅地を歩き出すと、ほどなく平群神社(平群町西宮)が見えてきた。境内由緒記によると《御祭神大山祇神は山野を司る神で、平群氏の祖武内宿祢が神功皇后と共に朝鮮へ出兵の際、戦勝を祈願し、この地に祀ったと伝う。のち五穀豊穣と、武運長久、家内安全の守護神として信仰をあつめ、今日に至る》とある。


平群神社を過ぎると、まもなく西宮古墳

畳薦さんのレポートによると《西宮古墳は公園内に整備されているので簡単に発見。なるほど方墳、開口していて、石棺も一部が残る。祠もあるので、意味のある場所であった》。





確かに、向かって左手に祠(ほこら)が作られている。テキストによるとこの古墳は《三段築成の方墳である》《埋葬施設は両袖式の横穴式石室》《石室の長さは13.8メートルほどで、精緻な切り石の巨石を用いた横穴式石室として古くから有名である》。築造は七世紀頃だそうだ。



六興出版の『大和の古墳を語る』には、《平群町一帯は平群谷ともいわれ、古代豪族の平群氏の根拠地だったと考えられており、西宮古墳や烏土塚古墳などは平群氏の首長の墓とみてさしつかえないだろう。5世紀に興隆した平群氏が7世紀にあっても大きな勢力を保持していたことが西宮古墳の存在からも知られよう》とある。

このほか平群谷には、長屋王墓や三里古墳などの古墳がある。畳薦さんはこれら4つの古墳を原付バイクで訪ねておられる。これから春にかけて、ハイキング気分で見学するのも良いだろう。
コメント (4)
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