「寒(かん)切り」とは、真冬に樹木を伐採することである。樹木はこの時期、水分の吸収を止め、硬い樹皮で自分の身体を守る。だからこの時期に伐った木は、水分が少なく脂分が多い。虫に食われにくいので家屋が長持ちする。鉋(かんな)をかけても、光沢が違う…。
樹齢100年を超えた吉野杉の寒切りを見学するという貴重なツアーのお誘いを受け、2/8(日)、同僚2人とともに参加させていただいた。株式会社イムラ(橿原市木原町177-1 井村義嗣社長)が主催する、お得意様ご招待のイベントである(夏には「土用切りツアー」がある)。
※吉野杉伐採見学ツアー(同社のスタッフブログ)
http://blog.goo.ne.jp/imura-k/e/6629ff1df4fd3f895201ada37502b947
同社の産直住宅「吉野杉の家」は、当ブログでも紹介させていただいた。《独自の産地直送体制によって、一般市場よりもリーズナブルな価格で吉野天然杉の家をお客様に提供。他の建材についても化学物質が入ったものを極力使わない、環境と健康にやさしい住まいという姿勢を貫いています。そんなイムラの誇りは、ただ単に「家を売る」のではなく、「私たちを育ててくれた吉野の山を守りたい」という思い》である。
※(株)イムラの吉野杉の家(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/ee830930123f54d055adb1db16e6d0f1
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/f2/34056bedbe6acd050a4a7cde239e5d09.jpg)
井村義嗣社長
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/ce/a54b595753e3eaf15450178ac1fb0741.jpg)
お世話いただいた橿原店の高橋一禎(たかはし・かずよし)店長
ツアー当日は8:45に近鉄奈良駅を出発、9:30に大和八木駅に立ち寄ったあと11:30に伐採現場入り。奈良から参加したのはバス2台だが、大阪からの参加も3台あり、合計で小型バス5台の大ツアーとなった。
http://www.sumain.net/?p=306
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/34/e8a64d280883e05414174a95a0f973a4.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/13/51fb35dd93c17b6548cd8a6d57cd5402.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/2a/9dac9f8d57360c1d7c956c776695244f.jpg)
伐っていただいた杉は2本。そのうち大きい方の伐採風景を紹介する。まずは、木を落とす方向にロープを張る。チェーンソー(自動ノコギリ)で切れ目を入れて、木を倒す。これも一種の間伐(間引き)であるが、ご覧の通り、こんなに太い木である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/d4/eaee22e9e44d18d0595ed465e1e2bf5b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/0b/3fc447c38b4f798b7dfae54de79f17df.jpg)
倒れる時の迫力がすごい。ザザザッと木立の間に倒れ込み、枝が飛び散る。地面に落ちると、足元に、ドンと重い衝撃が響く。戦さでとどめの一撃を受けた武士が倒れ込むような潔さ、とでも形容すれば良いのだろうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/91/43f0a58cf1c59dd6a1f953ccd80042c5.jpg)
見学者からは拍手がわき起こる。熟練者の技というのか、よくこんな見事に木と木の間に倒せるものである。木が倒れた後は、杉の良い香りがあたりに立ちこめる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/1f/7e732b9a17eaf835f9171d276478a0da.jpg)
伐採を見学した後は、徒歩で「川上さぷり」(川上産吉野材販売促進協同組合 上嶌逸平代表理事)へ。伐採した丸太は製材所で板に挽かれたあと、ここで乾燥と仕上げ加工を行い、大工さんに送られるのである。http://www.yoshinosugi.net/
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/2f/fd8d039ce921800fa82d047614378707.jpg)
説明される上嶌代表理事
完成したばかりの展示場で上嶌代表理事のお話をお聞きしたあと、加工の工程を見せていただいた。この「川上さぷり」のことは書きたいことが多いので、日を改めて詳しく紹介することにしたい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/73/c9b77bb04645c4be0e8fd31170f0b5a5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/6d/33264475dd8de198f59adb21d0a71b8f.jpg)
時刻も13時近くなり、待望のお昼ご飯である。バスで「山幸彦もくもく館」(川上村林業資料館)に移動すると、炊きたての山菜釜飯と、あつあつの豚汁が用意されていた。川上さぷりさんのご手配で、村の婦人会の方にご用意いただいたものだ。地元野菜がたっぷり入り、これはイケる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/4d/cc87cdfe496a05444571201870ac3431.jpg)
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大量の豚汁が、どんどんなくなって行く
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/26/0a4a205b37c848fa9a32d80d8fdd41c8.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/e9/ee37cb7b826ee108d556786e9bbfbac4.jpg)
食事のあとは餅つき大会。村のヨモギや栃(トチ)の実を使ったお餅がつかれ、手際よく丸められていく。つきたてのヨモギ餅や栃餅は、とても美味しい。子供たちも大喜びだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/9c/869b882f8789d715a1c96bed211c6543.jpg)
墨付け
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/65/6796b78514f469a5eb0feb3462325f4e.jpg)
最後の見学地は、イムラの大工さんたちが作業を行う「高田クラフト」である。ここでは棟梁さんの「匠の技」を見せていただいた。最新の電動工具から、宮大工が使う伝統工具まで、さまざまな工具の実演と体験をさせていただいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/8b/ce8768f1078658b33a270ad4abf956d4.jpg)
手斧(ちょうな)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/ef/b28dce488db9f8d5c25b19f389602d48.jpg)
鉋(かんな)がけ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/73/a14c673a6bc1fd7aea1b84aa9fd0c869.jpg)
槍鉋(やりがんな)。室町時代に今の鉋ができるまでは、これを使っていた
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/d2/7f70a964d815844d629e5108a5aaa544.jpg)
それにしても、素晴らしい経験をさせていただいた。何気なく使っている1枚の板が、こんな大変な工程を経て、いろんな人の手を煩わせて、私たちに届けられるとは。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/f3/634b4b5d2c732850e1eec58e03485dad.jpg)
(株)イムラの社長さん高橋店長さんはじめスタッフの皆さん、伐採していただいた山守の皆さん、川上さぷりの代表理事さんはじめご案内いただいた方々、川上村婦人会の皆さん、本当に有難うございました。こんな素晴らしい吉野の森を大切に守り育て、そしてどんどん木を使って、吉野材を伐り出してまいりましょう。
樹齢100年を超えた吉野杉の寒切りを見学するという貴重なツアーのお誘いを受け、2/8(日)、同僚2人とともに参加させていただいた。株式会社イムラ(橿原市木原町177-1 井村義嗣社長)が主催する、お得意様ご招待のイベントである(夏には「土用切りツアー」がある)。
※吉野杉伐採見学ツアー(同社のスタッフブログ)
http://blog.goo.ne.jp/imura-k/e/6629ff1df4fd3f895201ada37502b947
同社の産直住宅「吉野杉の家」は、当ブログでも紹介させていただいた。《独自の産地直送体制によって、一般市場よりもリーズナブルな価格で吉野天然杉の家をお客様に提供。他の建材についても化学物質が入ったものを極力使わない、環境と健康にやさしい住まいという姿勢を貫いています。そんなイムラの誇りは、ただ単に「家を売る」のではなく、「私たちを育ててくれた吉野の山を守りたい」という思い》である。
※(株)イムラの吉野杉の家(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/ee830930123f54d055adb1db16e6d0f1
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/f2/34056bedbe6acd050a4a7cde239e5d09.jpg)
井村義嗣社長
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お世話いただいた橿原店の高橋一禎(たかはし・かずよし)店長
ツアー当日は8:45に近鉄奈良駅を出発、9:30に大和八木駅に立ち寄ったあと11:30に伐採現場入り。奈良から参加したのはバス2台だが、大阪からの参加も3台あり、合計で小型バス5台の大ツアーとなった。
http://www.sumain.net/?p=306
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伐っていただいた杉は2本。そのうち大きい方の伐採風景を紹介する。まずは、木を落とす方向にロープを張る。チェーンソー(自動ノコギリ)で切れ目を入れて、木を倒す。これも一種の間伐(間引き)であるが、ご覧の通り、こんなに太い木である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/d4/eaee22e9e44d18d0595ed465e1e2bf5b.jpg)
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倒れる時の迫力がすごい。ザザザッと木立の間に倒れ込み、枝が飛び散る。地面に落ちると、足元に、ドンと重い衝撃が響く。戦さでとどめの一撃を受けた武士が倒れ込むような潔さ、とでも形容すれば良いのだろうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/91/43f0a58cf1c59dd6a1f953ccd80042c5.jpg)
見学者からは拍手がわき起こる。熟練者の技というのか、よくこんな見事に木と木の間に倒せるものである。木が倒れた後は、杉の良い香りがあたりに立ちこめる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/1f/7e732b9a17eaf835f9171d276478a0da.jpg)
伐採を見学した後は、徒歩で「川上さぷり」(川上産吉野材販売促進協同組合 上嶌逸平代表理事)へ。伐採した丸太は製材所で板に挽かれたあと、ここで乾燥と仕上げ加工を行い、大工さんに送られるのである。http://www.yoshinosugi.net/
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/2f/fd8d039ce921800fa82d047614378707.jpg)
説明される上嶌代表理事
完成したばかりの展示場で上嶌代表理事のお話をお聞きしたあと、加工の工程を見せていただいた。この「川上さぷり」のことは書きたいことが多いので、日を改めて詳しく紹介することにしたい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/73/c9b77bb04645c4be0e8fd31170f0b5a5.jpg)
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時刻も13時近くなり、待望のお昼ご飯である。バスで「山幸彦もくもく館」(川上村林業資料館)に移動すると、炊きたての山菜釜飯と、あつあつの豚汁が用意されていた。川上さぷりさんのご手配で、村の婦人会の方にご用意いただいたものだ。地元野菜がたっぷり入り、これはイケる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/4d/cc87cdfe496a05444571201870ac3431.jpg)
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大量の豚汁が、どんどんなくなって行く
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/26/0a4a205b37c848fa9a32d80d8fdd41c8.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/e9/ee37cb7b826ee108d556786e9bbfbac4.jpg)
食事のあとは餅つき大会。村のヨモギや栃(トチ)の実を使ったお餅がつかれ、手際よく丸められていく。つきたてのヨモギ餅や栃餅は、とても美味しい。子供たちも大喜びだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/9c/869b882f8789d715a1c96bed211c6543.jpg)
墨付け
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/65/6796b78514f469a5eb0feb3462325f4e.jpg)
最後の見学地は、イムラの大工さんたちが作業を行う「高田クラフト」である。ここでは棟梁さんの「匠の技」を見せていただいた。最新の電動工具から、宮大工が使う伝統工具まで、さまざまな工具の実演と体験をさせていただいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/8b/ce8768f1078658b33a270ad4abf956d4.jpg)
手斧(ちょうな)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/ef/b28dce488db9f8d5c25b19f389602d48.jpg)
鉋(かんな)がけ
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槍鉋(やりがんな)。室町時代に今の鉋ができるまでは、これを使っていた
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/d2/7f70a964d815844d629e5108a5aaa544.jpg)
それにしても、素晴らしい経験をさせていただいた。何気なく使っている1枚の板が、こんな大変な工程を経て、いろんな人の手を煩わせて、私たちに届けられるとは。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/f3/634b4b5d2c732850e1eec58e03485dad.jpg)
(株)イムラの社長さん高橋店長さんはじめスタッフの皆さん、伐採していただいた山守の皆さん、川上さぷりの代表理事さんはじめご案内いただいた方々、川上村婦人会の皆さん、本当に有難うございました。こんな素晴らしい吉野の森を大切に守り育て、そしてどんどん木を使って、吉野材を伐り出してまいりましょう。