2/8(日)、川上産吉野材販売促進協同組合(川上さぷり)をお訪ねした。(株)イムラの「吉野杉 寒切りツアー」でお連れいただいたのだが、このツアーのほとんどは川上さぷりの森や施設を見学するという行程になっていた。
※(株)イムラの「吉野杉 寒切りツアー」(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/f929357ba9077e2bd7103d85a2d2d6b4
川上さぷりは00(平成12)年、山守(やまもり=山林の現場責任者)さんが中心となって設立された。「さぷり」の呼称は「サプリメント(付録、補遺)」ではなく、「サプライ(供給)」と「さぶらう(いざという時のために仕える=サムライの語源)」から生まれたという。
注文に応じて吉野杉・ヒノキを山から伐り出して製材に回し、それを2次加工したあと工務店などに販売している。施主のニーズに応じた良質の吉野材をリーズナブルな価格で提供することで、日本に吉野材の家をたくさん建ててもらおう、ということをねらいとしている。
http://www.yoshinosugi.net/
この川上さぷりが、「ええ古都なら」という奈良の観光情報サイトに平易な言葉で紹介されている。《現場とユーザーとを直結する新しい林業の拠点 山に木が植えられ、何十年も掛けて育てられ、伐採され、原木が売られ、いくつもの流通過程を経てやっと消費者の手に届く。林業のしくみを大きくまとめればこういった流れになる。しかし、実際はそれぞれの過程ごとで何人もの人々の手をわたるために、林業に携わる人でさえ、自分が育てた木の行く先を知ることはこれまでほとんどなかったという》。
http://www.nantokanko.jp/mytown2007027.html
《海外からも安い木材が輸入され、全般に元気がない国内の林業。吉野杉にしてもそれは同じ。質さえよければ売れる時代は終わった。ならば現場と消費者とを直結させたらどうだろう。村の全面的なバックアップをうけて立ち上がったのが、「川上さぷり」(川上産吉野材販売促進協同組合)だ》。
お話しされる上嶌逸平氏(川上さぷり代表理事)
《日本三大美林の吉野杉のよさを少しでも知ってもらおうと、乾燥を中心とした2次加工施設をつくり、直接工務店や設計に関わる人たちを招く。建築業界の人ばかりではない。「吉野杉で家を建てたい」「リフォームをしたい」、木のよさが見直されている今、見学に訪れる一般の人も多い。最新の乾燥設備も整え、量産はできないけれど、消費者に安心と満足を与えられる「吉野杉」ブランドの供給を目指している》。
お話しいただいた場所は、できたばかりの展示場
展示場の天井。木組みがすごい
さきの(株)イムラはここから吉野材を仕入れ、「高田クラフト」で棟梁たちが墨付け・手きざみ・木組みなどの技術を駆使して最終加工し、現地に運んで家を建てている。
私がイムラのモデルハウスを見学し、銘木を伝統の技で磨き上げ、それを現代風にアレンジした吉野杉の家に驚いたことは、以前当ブログでも紹介させていただいた。
※(株)イムラの吉野杉の家(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/ee830930123f54d055adb1db16e6d0f1
川上村の手入れされた人工林と川上さぷりを見学することで、それがどのようなプロセスをたどって最終ユーザーに届けられるのか、よく理解できた。
最近は国土交通省の「200年住宅」(住宅の長寿命化促進税制)などの動きが出てきて、吉野材など国産材に注目が集まるようになってきた。また地球温暖化防止や資源再生の観点から、国内の林業に大きな期待がかかっている。
川上さぷりは、(財)南都経済センターの「センター月報」08年12月号の「企業訪問レポート」でも、詳しく紹介されている。
http://www.nantoeri.or.jp/geppou/backno.html
同レポートでは、《高級材として知られる「吉野材」というブランド、あるいは「自然志向」を前面に押し出した営業展開を行いたいとする工務店、ハウスメーカーもみられた。山の文化への理解者が着実に増えるなか、同組合の取り組みとの連携も深まり、同時に販売も徐々に増加した》。
《自然環境の保護に関しての意識が世界中で高まるなか、再生できる資源としての木材の意義は大きい。上嶌代表理事はは「環境意識の高まりという追い風が吹いている。しかし、帆を張らなければ受けることはできない」として、今後も、製材・加工部門の集約化、販売の積極化を図り、林業・木材業の振興はもちろんのこと2代目が残れる地域づくりをめざす》と紹介されている。
おしまいに「ええ古都なら」の結びの言葉を引用しておく。《山々に囲まれた広いスペースに、所狭しと製材が積まれる。一歩敷地に足を踏み入れれば杉の独特の香りが漂い、林業という産業のスケールの大きさを体感できるはず。川上の美しい自然のなかで育った杉や桧、そしてその木で作られる木造住宅。たとえ家の建つ場所が都会の真ん中であろうとも、この光景を目に焼き付けておけば、心落ち着ける住まいを手に入れることができるのではないだろうか》。
※(株)イムラの「吉野杉 寒切りツアー」(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/f929357ba9077e2bd7103d85a2d2d6b4
川上さぷりは00(平成12)年、山守(やまもり=山林の現場責任者)さんが中心となって設立された。「さぷり」の呼称は「サプリメント(付録、補遺)」ではなく、「サプライ(供給)」と「さぶらう(いざという時のために仕える=サムライの語源)」から生まれたという。
注文に応じて吉野杉・ヒノキを山から伐り出して製材に回し、それを2次加工したあと工務店などに販売している。施主のニーズに応じた良質の吉野材をリーズナブルな価格で提供することで、日本に吉野材の家をたくさん建ててもらおう、ということをねらいとしている。
http://www.yoshinosugi.net/
この川上さぷりが、「ええ古都なら」という奈良の観光情報サイトに平易な言葉で紹介されている。《現場とユーザーとを直結する新しい林業の拠点 山に木が植えられ、何十年も掛けて育てられ、伐採され、原木が売られ、いくつもの流通過程を経てやっと消費者の手に届く。林業のしくみを大きくまとめればこういった流れになる。しかし、実際はそれぞれの過程ごとで何人もの人々の手をわたるために、林業に携わる人でさえ、自分が育てた木の行く先を知ることはこれまでほとんどなかったという》。
http://www.nantokanko.jp/mytown2007027.html
《海外からも安い木材が輸入され、全般に元気がない国内の林業。吉野杉にしてもそれは同じ。質さえよければ売れる時代は終わった。ならば現場と消費者とを直結させたらどうだろう。村の全面的なバックアップをうけて立ち上がったのが、「川上さぷり」(川上産吉野材販売促進協同組合)だ》。
お話しされる上嶌逸平氏(川上さぷり代表理事)
《日本三大美林の吉野杉のよさを少しでも知ってもらおうと、乾燥を中心とした2次加工施設をつくり、直接工務店や設計に関わる人たちを招く。建築業界の人ばかりではない。「吉野杉で家を建てたい」「リフォームをしたい」、木のよさが見直されている今、見学に訪れる一般の人も多い。最新の乾燥設備も整え、量産はできないけれど、消費者に安心と満足を与えられる「吉野杉」ブランドの供給を目指している》。
お話しいただいた場所は、できたばかりの展示場
展示場の天井。木組みがすごい
さきの(株)イムラはここから吉野材を仕入れ、「高田クラフト」で棟梁たちが墨付け・手きざみ・木組みなどの技術を駆使して最終加工し、現地に運んで家を建てている。
私がイムラのモデルハウスを見学し、銘木を伝統の技で磨き上げ、それを現代風にアレンジした吉野杉の家に驚いたことは、以前当ブログでも紹介させていただいた。
※(株)イムラの吉野杉の家(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/ee830930123f54d055adb1db16e6d0f1
川上村の手入れされた人工林と川上さぷりを見学することで、それがどのようなプロセスをたどって最終ユーザーに届けられるのか、よく理解できた。
最近は国土交通省の「200年住宅」(住宅の長寿命化促進税制)などの動きが出てきて、吉野材など国産材に注目が集まるようになってきた。また地球温暖化防止や資源再生の観点から、国内の林業に大きな期待がかかっている。
川上さぷりは、(財)南都経済センターの「センター月報」08年12月号の「企業訪問レポート」でも、詳しく紹介されている。
http://www.nantoeri.or.jp/geppou/backno.html
同レポートでは、《高級材として知られる「吉野材」というブランド、あるいは「自然志向」を前面に押し出した営業展開を行いたいとする工務店、ハウスメーカーもみられた。山の文化への理解者が着実に増えるなか、同組合の取り組みとの連携も深まり、同時に販売も徐々に増加した》。
《自然環境の保護に関しての意識が世界中で高まるなか、再生できる資源としての木材の意義は大きい。上嶌代表理事はは「環境意識の高まりという追い風が吹いている。しかし、帆を張らなければ受けることはできない」として、今後も、製材・加工部門の集約化、販売の積極化を図り、林業・木材業の振興はもちろんのこと2代目が残れる地域づくりをめざす》と紹介されている。
おしまいに「ええ古都なら」の結びの言葉を引用しておく。《山々に囲まれた広いスペースに、所狭しと製材が積まれる。一歩敷地に足を踏み入れれば杉の独特の香りが漂い、林業という産業のスケールの大きさを体感できるはず。川上の美しい自然のなかで育った杉や桧、そしてその木で作られる木造住宅。たとえ家の建つ場所が都会の真ん中であろうとも、この光景を目に焼き付けておけば、心落ち着ける住まいを手に入れることができるのではないだろうか》。