tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

夏越の祓(なごしのはらい)、田原本町の森屋明神などで、6月30日催行!/毎日新聞「ディスカバー!奈良」第71回

2018年06月25日 | ディスカバー!奈良(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「ディスカバー!奈良」を連載している。先週(6/21)掲載されたのは「心身清める夏越大祓式 田原本町の村屋坐弥冨都比賣(むらやにますみふつひめ)神社」、執筆されたのは同会理事の雑賀耕三郎さん。この神社は、地元では「森屋明神」とか「守屋の宮」などと呼ばれている。
※トップ写真は、おごそかにすすめられる夏越大祓式

ところで夏越の祓(はらい or はらえ)をご存じだろうか。『世界大百科事典』の「夏越の祓」に詳しい解説が出ていた。

6月晦日(みそか)に行う大祓(おおはらえ)の行事をさし,単に夏越,または水無月(みなづき)祓などともいう。大祓は平安期には6月と12月の晦日に朱雀門において,中臣が祝詞を読んで祭事を行っていたが,後世になって6月の祓だけが残ったものである。

現在,この行事は内容的・形式的に2方向に区分することができる。一つは,各地の神社で行われている茅輪(ちのわ)くぐりの行事である。鳥居のところに大きな茅で輪をつくり,そこをくぐると罪穢(つみけがれ)が祓われ,無事暑い夏が越せるというものである。また神社から授与された人形(ひとがた)で身体をなでたりして罪穢を祓うというものもある。

他方,中国地方などでは,夏越には牛馬を水辺につれていって水浴させる行事を行う所が多く,井戸さらえや川の神の祭りをする所もある。ともに禊(みそぎ)や祓を主題にした行事である。

平安宮の朱雀門で行われていた由緒正しい祭事がルーツなのだ、これは驚いた。では最後に記事全文を紹介する。


取り外された茅の輪は子供たちの手で大和川岸に

猛暑を前にして、人々にたまった罪けがれを払い落とす神事、「夏越(なごし)の祓(はらい)」が30日に各地の神社で行われます。大和川に沿い、奈良盆地の中心に位置する田原本町の村屋坐弥冨都比賣(むらやにますみふつひめ)神社の「夏越大祓式」を紹介します。

祭典は午後4時から始まります。参列者は茅(ち)の輪をくぐって結界が張られた神前に上がります。紙を切った人形(ひとがた)に息を吹きかけて厄災を移し、カヤの葉や切り紙で罪けがれを払います。祭典が終わると茅の輪を外し、子供たちが人形、供え物と一緒に大和川岸に運び、川に流すのです。

守屋広尚宮司は「大和川で刈ったカヤで茅の輪を作り、人のけがれをうつして、川に戻します。子供たちもそのお手伝いをします。神社の古来からの風習です」と語ります。

メモ 村屋坐弥冨都比賣神社へは、近鉄橿原線田原本駅下車、東へ徒歩約40分。JR桜井線巻向駅下車、西へ徒歩約30分(奈良まほろぼソムリエの会理事 雑賀耕三郎)。


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「日本遺産」を活用し、もっと地域の魅力発信を(観光経済新聞「観国之光」215)/観光地奈良の勝ち残り戦略(125)

2018年06月24日 | 観光にまつわるエトセトラ
週刊観光経済新聞の1面には毎回「観国之光」という社説が載り、いつも愛読している。6/16号に掲載されたのは「日本遺産 魅力発信にもっと力を」(第215回)、筆者は同紙論説委員の内井高弘氏だ。まずは全文を紹介する。
※トップ写真は、2018年度の日本遺産(山寺と紅花)に認定された山形県の山寺からの景観。同県のホームページから拝借した

地域の有形、無形の文化財をテーマでまとめて魅力を発信する「日本遺産」。先ごろ、新たに13道県の13件が認定され、これで計67件となった。認定された自治体からは「知名度がアップし、観光客誘致に弾みがつく」と期待する声も出る。

日本遺産がスタートして今年で4年目。文化庁は日本遺産としてのブランド力を保つため、やみくもな認定はせず、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年までに100件程度にする考えだ。となると認定される枠はあと30件あまり。自治体間の認定獲得競争も激しくなりそうだ。

とはいえ、日本遺産自体の知名度は決して高くはない。文化庁が首都圏、関西圏の18~69歳の男女千人を対象に実施した「日本遺産と旅行に関する意識調査」によると、日本遺産を「知っていて、実際に訪れたことがある」「知ってはいるが、訪れたことはない」という答えを合わせると29.4%となり、3割に満たないことが分かった。

文化庁や認定自治体などは、魅力を広く発信し、訪れてもらう努力をもっとすべきだ。認定を受けたストーリーには文化芸術振興費補助金の交付による支援も行われるだけに、有効に活用してほしい。

今年3月、約50件の日本遺産について、観光資源として有効に活用されているかを検証する有識者委員会の17年度評価結果が公表された。その結果、約7割に観光インフラが不足しているなどの課題があったとして、改善を促した。もちろん、優れた取り組みも紹介している。

日本遺産は、文化庁に設置する外部有識者で構成される「日本遺産審査委員会」の審査結果を踏まえて、文化庁が認定する。認定をきっかけに、市民が郷土の文化財の存在を知り、誇りを持ち、将来にわたって文化財を守っていこうとの機運が生まれたら何よりだ。

世界遺産に比べ、日本遺産はやや地味で、インパクトに欠けるとの指摘もあるが、鳥取県三朝町の「日本一危ない国宝鑑賞と世界屈指のラドン泉」などは行ってみたくなるタイトルだ。いかに知ってもらうか、繰り返しになるが、情報発信が欠かせない。

100件になったはいいが、そのあとはどうなるのだろうか? 「各自治体の努力次第」「勝手にやって」と突き放すことはしないだろうが、日本遺産を一過性のものにしないためにも、文化庁には20年以降の中長期的な視点に立った生かし方を示してほしいものだ。また、認定自治体も観光地化に走ってほしくはない。文化財の価値を毀損しては本末転倒だ。文化財の保存と活用のバランスをうまく取ってもらいたい。

アンケートで「日本遺産を知っている」と答えた人がわずか29.4%とは、残念だ。日本遺産に認定された場所ではその旨が告知され、充実したパンフレットやマップ、観光サイトなどが提供されている。神奈川県伊勢原市(大山詣で)も、京都府南部(日本茶800年)も、明日香村など(古代の女帝)も、そうだった。これらは「文化芸術振興費補助金」による支援を受けたのだろう。

「日本遺産登録の申請には、事務負担が大きい」として尻込みする市町村が多いが、認定を受けることにより地域に誇りが生まれ、それが観光客誘致の原動力となる。歴史・文化遺産に恵まれた奈良県下の市町村は、もっと積極的に取り組んでいただきたいものだ。
コメント (8)
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ならファミリー「らくだ広場」に、旭堂南青と大西桃香が登場!6月24日(日)(2018 Topic)

2018年06月23日 | お知らせ
ならファミリー(近鉄大和西大寺駅前)1階の「らくだ広場」で6月24日(日)、「リニアが拓く奈良市の未来」というイベントが開催される。そこで講談師・旭堂南青さんの「奈良市観光大使」委嘱式と講談「棚田嘉十郎」、奈良市出身・大西桃香さん(AKB48)出演のクイズ大会が行われる。奈良市観光戦略課のHPから抜粋すると、
※トップ画像は、旭堂南青を囲む会のFacebookから拝借

「奈良市再発見フェスタ~リニアが拓く奈良市の未来~」を開催します
平成30年6月24日、ならファミリー1階らくだ広場で、「奈良市再発見フェスタ~リニアが拓く奈良市の未来~」を開催します。鉄道アーティストの小倉沙耶さんを司会に迎え、講談師の旭堂南青さんによる講談:演目「棚田嘉十郎」や奈良市観光大使の大西桃香さん(AKB48チーム8奈良県代表)出演のクイズ大会、奈良女子大学附属小学校6年星組の子どもたちによるリニア研究発表会、ゆるキャラ登場など、盛りだくさんの内容となっております。

【日時】平成30年6月24日(日)10時30分~16時
【場所】ならファミリー(奈良県奈良市西大寺東町2丁目4-1)

旭堂南青さんの「観光大使委嘱式」は、10時40分~11時に行われる。奈良市の仲川市長から委嘱状と観光大使の名刺が手渡される。これで南青さんを含め、奈良市観光大使は85組(95名)となった。なお奈良市観光特別大使は5組(6名)。

【11時~11時30分】講談:演目「棚田嘉十郎」
 平城宮跡の保存に尽力した人物の物語を講談の演目として披露。
 出演:旭堂南青さん(講談師・奈良まほろばソムリエ)

☆旭堂南青さんプロフィール☆
2004年に大学をご卒業後、旭堂南左衛門(きょくどう・なんざえもん)さんに弟子入り、「南青(なんせい)」の名で活動を開始。奈良市でもこれまで夏の元興寺での怪談イベントや、奈良町にぎわいの家での講談会などに出演。

2009年から今年の3月までの8年間、毎週金曜日に奈良テレビ放送「ゆうドキッ!」にレギュラーとして出演し、番組内の企画で「奈良まほろばソムリエ検定」の受験に挑戦。今年1月、最上級資格である「奈良まほろばソムリエ」に合格。「奈良まほろばソムリエの資格を持つ講談師」として、奈良にゆかりのある講談を上演するなど活躍中。

【13時30分~14時30分】南都びっくりクイズ大会
 奈良市の観光やリニア中央新幹線のことについてのクイズ大会を実施。
 正解者には、素敵なプレゼントも。
 出演:大西桃香さん(AKB48チーム8奈良県代表)
注1)クイズは事前参加申込制で先着300名、当日10時30分~13時30分まで会場受付ブースにて受付。参加者には整理券を配布し、抽選でクイズの回答者を指名させていただきます。
注2)クイズ大会に参加される方は整理券をご用意の上、会場(ならファミリー1Fらくだ広場)にお越しください。



この画像はAKB48の公式サイトから拝借

☆大西桃香さんプロフィール☆
2016年10月より始めた動画配信アプリ「SHOWROOM」での朝5時半配信が話題となり、「朝5時半の女」と呼ばれる。2017年2月、AKB48の47thシングル『シュートサイン』で、表題曲選抜メンバーに初めて選出。「SHOWROOM選抜」名義の楽曲『プライベートサマー』でセンターをつとめる。

【14時30分~15時】リニア研究発表会
 奈良女子大学附属小学校6年星組の子どもたちによる、リニアに関する学習の発表。リニア中央新幹線に開通時に主役となる”リニア世代”の子どもたちが学習の成果を発表します。
 出演:奈良女子大学附属小学校の子どもたち、大西桃香さん(AKB48チーム8奈良県代表)、仲川げん(奈良市長)

【11時30分~12時、13時~13時30分、15時~15時30分】ゆるキャラ登場!
 奈良市のゆるキャラたちが大集合!奈良市リニアファン倶楽部部員のリニー君も登場。
 出演:奈良市リニア招き鹿:りにまね、奈良市リニアファン倶楽部部員・リニー君、奈良市観光協会マスコットキャラクター・しかまろくん、奈良市の子育て応援キャラクター・パパジーカ

【10時30分~16時】スタンプラリー
 近鉄百貨店奈良店様主催「奈良市制120周年記念 なら再発見フェスタ」と連携しスタンプラリーを開催。同施設内に設置する「りにまねスタンプ」をすべて集めた方に、リニアグッズ等、素敵な景品を進呈。(景品交換は16時30分まで)

【10時30分~16時】奈良市リニアファン倶楽部入部受付ブース・リニア七夕受付
 「奈良市リニアファン倶楽部」の入部受付を会場受付ブースにて行います。
また、七夕の時期が近いことから、「奈良市リニア新駅設置時にかなえたい事等」の願い事を書いていただくための短冊を配置します。短冊は後日笹に飾り付け、6月25日(月)から7月6日(金)まで、奈良市役所1階展示ホールにて展示します。

【奈良市リニアファン倶楽部とは】
 奈良市では奈良市リニア新駅誘致活動を応援してくれる奈良市リニアファン倶楽部部員を募集しています。入部いただくと、りにまね・なつめじかの名刺(データのみ提供)のプレゼント等の特典も。入部無料・年会費等はかかりません。皆さん、ぜひご入部ください。詳しくはコチラから。


私も委嘱式に駆けつけ、講談も拝聴するつもりである。皆さんも、ぜひ足をお運びください!

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生駒駅前100円商店街(第40回)& ららら♪マルシェ/6月23日(土)開催!(2018 Topic)

2018年06月22日 | 奈良にこだわる
「陶泡石けんイマジンハウス」(生駒市元町1-13-1)のご店主・澤村章男さんから、「土曜日(6/23)に『生駒駅前100円商店街』と『ららら♪マルシェ』をやります。今回は南極の氷も登場しますよ」と知らせていただいた。100円商店街は今回で40回め、はや10年になるのだ。生駒市のHP「6・7月のイコマニア・イベント」によると、
※トップ写真は生駒市のホームページから拝借

第40回生駒駅前100円商店街
おかげさまで10年目に入った100円商店街!!

開催日時:6月23日(土曜日)10時から17時まで
開催場所:生駒駅前周辺商店
イベントの内容:生駒駅前商店街や百貨店など各店が選び抜いた100円商品を用意し一斉に販売します。新鮮な野菜やお菓子、文房具、日用品などが並びます。「ららら♪マルシェ」も大賑わい。ぜひ、のぞいてみてください。
お問い合わせ:生駒商工会議所 電話番号 0743-74-3515/FAX番号 0743-74-9185


100円商店街をご存じない方のために、生駒市のHP「生駒駅前100円商店街」から引用すると、

人のつながりが生まれる100円商店街
生駒駅前商店街や百貨店などの各店が、選び抜いた100円商品を用意し、一斉に販売する「100円商店街」。3か月に一度のペースで開かれ、毎回約60店舗に新鮮な野菜や魚、文房具、日用品などが並びます。 

全国に広がっている「100円商店街」。本市では、9年前に関西第1号として初めて開催し、今年1月で38回目を迎える名物行事です。開催日には普段の数倍のお客さんが買い物をお得に楽しみます。気軽に店の人と話したり、顔なじみになれたりするのも魅力的。商店街にお祭りのようなにぎわいや一体感を生んでいます。

生駒駅前商店街連合会長の稲森文吉さん
商店街の商店だけでなく、駅や金融機関、大学、百貨店などにも協力してもらっています。地域の持つ力をつなぎ合わせて、駅前をさらに盛り上げていきたいですね。

100円商店街日時
不定期開催10:00~17:00/場所:生駒駅周辺 数に限りのある商品もあります。


こんな楽しいイベントである。今は「ららら♪マルシェ」が、グリーンヒルいこま2階で同時開催されている。

皆さん、この土曜日(6/23)は、ぜひ生駒駅前に足をお運びください!
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南都銀行が、68歳まで再雇用する「グランドシニア制度」を新設!

2018年06月21日 | マスコミに紹介されました!
本年4月、南都銀行は68歳まで働ける「グランドシニア制度」を導入した。これまでは65歳まで働ける「シニアスタッフ制度」を導入していたが、希望すればさらにあと3年、働けることになった。これに伴い本年5月、私を含め3人のシニアスタッフ(グランドシニアへの移行予定者・いずれも64歳)が取材を受け、昨日(6/20付)の毎日新聞奈良版に掲載された。3人のプロフィールを紹介すると、
※トップ写真は毎日新聞の記事から拝借。私が同じ職場の富田健之くんを指導しているところ

・乾裕亮(やすはる)さん
営業店サポートセンター(同行事務センター内)勤務。かつては各支店で発行していた預金残高証明書のセンターでの(一括)発行を提案・実施したほか、さまざまな事務改善を行っている。
・畑中敏夫さん
本店の審査部で、支店長権限内融資の実行後の再チェックを行っている。
・鉄田憲男
奈良県観光の振興を行う観光戦略室(公務・地域活力創造部)に勤務。観光振興策の企画・立案による同行の収益への寄与をねらう。後継者の育成にも取り組む。


乾さんと畑中さんはそれぞれ、これまでの銀行員生活で身につけた「支店の内部事務の改善」「融資の審査」という専門的なスキルを活かし、銀行に貢献されている。私は少し特殊な事例で、個人的な興味と使命感でかかわってきた観光に関するノウハウ(県うまいものづくり部会委員、奈良まほろばソムリエの会専務理事、ブログ制作など)を60歳定年後の仕事の場で生かし、後継者の育成にも取り組んでいる。

いずれにしても一朝一夕に身につけることのできないスキルを持つシニア行員が、68歳までそのスキルを生かした仕事をするわけで、これは本人にとっても生きがいになるし、銀行にとってもメリットがある。若手行員の仕事を奪うこともない。京都銀行は70歳まで働ける「アクティブ・シニア制度」を4年前に導入しているので、南都銀行も、もしかすると70歳まで再延長するかもしれない。

前置きが長くなった。以下に記事全文を紹介する。

見聞録 南都銀行(本店・奈良市)
グランドシニア制度新設 専門スキルで若手育成


南都銀行(本店・奈良市)は4月、定年退職後も最長68歳まで働くことができる「グランドシニア制度」を新設した。ベテラン行員が持つ豊富な業務知識や経験を有効活用し、人材育成にも役立てる狙い。2006年度に希望者を65歳まで再雇用する「シニアスタッフ制度」を導入していたが、さらに長く勤めたいとする要望に応えた。同行で働くシニアスタッフを取材した。【新宮達】

「弁財天は芸能の神様。近くの元林院の舞妓(まいこ)や芸妓(げいこ)らが芸の上達を願って参拝した」。近鉄奈良駅近くのもちいどのセンター街にある弁財天社で、同行観光戦略室シニアスタッフの鉄田憲男さん(64)が、後輩の富田健之さん(33)に解説した。鉄田さんは今月17日にあった奈良市の率川(いさがわ)神社の三枝祭(さいくさのまつり)も紹介。祭りで供えられたササユリの由来などを説明、富田さんは盛んにうなずいていた。

鉄田さんは約20年前、県の奈良のうまいものづくり事業をきっかけに地元の観光振興や歴史などに興味を持った。奈良の歴史や文化を生かした観光ボランティア活動などに取り組むNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」の専務理事を務める。「奈良で銀行の仕事をするには歴史や文化の知識が必要。行内で詳しいと自負している私が後輩を育成しないと」と話す。現在週2日出勤し、行員向けの「奈良通養成塾」を開くなどしている。

関連会社を含めたシニアスタッフは現在約160人。営業店サポートセンターの乾裕亮(やすはる)さん(64)は週4日勤務。監査法人に提出する取引先の預金残高証明書のチェックなどを担当する。かつて働いた営業店での経験を生かし、センターになかった税務調査や印鑑登録といった対応マニュアルを作った。「営業店と常に対話し、業務改善、効率化につながれば」と話す。

グランドシニアはシニアスタッフのうちの希望者が対象で、1年ごとの雇用契約を結び、勤務時間は週20時間未満だ。支店の融資をチェックする審査部の畑中敏夫さん(64)は「社会も変わってきており、今の65歳は元気。働く場があるのはありがたい」と評価する。人事部の田中敦副部長(54)は「シニアスタッフは専門的なスキルを持っている人が多く貴重な戦力だ。新しい仕組みに積極的に手を挙げてもらえれば」と話す。

同様の取り組みで近隣で先行している京都銀行(本店・京都市)では、定年退職後の希望者が70歳まで働ける同様の制度を14年度にスタート。今月1日現在で64人が利用しているといい、京都銀は「利用者からは専門分野を生かして組織に貢献でき、働きがいも持てるといった声がある」としている。

南都銀行 1934年創立。本店は奈良市橋本町16。いずれも今年3月末時点で、預金残高は4兆8269億円、貸出金残高は3兆3408億円。拠点数は国内140(うち県内は92)と海外2。従業員数は2624人。経営の健全性を示す自己資本比率は9.64%(単体)。


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