エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

美しいものに感動できる心

2007-06-05 | エッセイ
 
庭に一木一草の個性を観察する。葉上をあるいは下草の茂みを這う小さな虫たちを見つめる。訪れる鳥や蝶を目で追う。庭のすべての自然が不思議でならない。そしてささやかな感動が広がる。
 ところで目にする小さな自然は誰の目にも同じように映っているのだろうか。時々そんな疑問を抱き妻に笑われることがある。確かに眼球を通った映像は、一枚の写真のごとく誰の網膜にも同じように写るのであろう。例えば松の緑、咲き出した薔薇の黄色が風のそよぎに一段と美しいが、こうした自然を見る心の動きは誰でも同じではない。
 しかし目からの情報は伝達の過程に加工され、各人の心の動きに変えられる。この変換が人の個性であり情操、感性に違いない。 昨今、ものの豊かさが心の豊かさではないことに気づいた人間にとって、美しいものに感動できる情操は必須である。心豊かな人生を送るための人間教育の基礎はそのあたりにあるに違いない。