エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

雪の中の圓蔵寺

2009-12-24 | 日々の生活
 

   今年もあと一週間を残すのみとなった。毎年数軒にお歳暮に伺う。夕方、柳津の従兄弟宅を訪ね、伯父伯母に線香を手向けた。ついでに帰りに雪の中の圓蔵寺にお参りし、月見ヶ丘で温泉に浸かって来るのが常だ。
 お正月のごちそう作りを始めていた。できたばかりのお正月になくてはならない棒鱈の甘露煮を沢山いただいた。何日もかかってじっくり煮込んだものだろう。妻は従兄弟から黒豆の煮方を詳しく聞いていた。

 雪の中の圓蔵寺を参拝した。今年1年、健康な日々を過ごせたことを感謝して、来年もよろしくご加護をとお願いした。妙にこころがすっきりした。
 山門からの階段を上りきった両脇に、本堂菊光堂に向かって左に丑、右に寅の石像が座っていることに初めて気づいた。丑寅の守り本尊としても信仰を集め、またこの丑と寅を撫ぜると福と知の無限のご利益があるとされている。境内の撫で牛を撫でた。



境内の只見川を望む鐘突堂の脇に「良寛禅師行脚之地」の碑があった。解説板を読みながら、また良寛を思った。



境内で頼三樹三郎の詩碑が目に入った。暇がなく通り過ぎたが、今度、碑文をよく見てみたいと思った。
 ----【頼三樹三郎】文政8(1825)~安政6(1859)、幕末に生きた尊王攘夷派の志士であり儒者である。「日本外史」を著した史家・頼山陽の子でもあり、柳津を訪れその美しさに感銘を受けた一人である。彼は、柳津の景色を「北州の名勝」と讃え、詩を残した。彼は安政の大獄で捕らえられ斬首されている。----

【頼三樹三郎の詩碑】

月見ヶ丘町民センターの温泉は貸し切りだった。高台の湯船からすっかり暗くなった只見川にかかる雪をかぶった橋桁が見えた。凍えそうな冬の雪道に車のライトが冷たく光った。いよいよ今年も暮れるという実感を覚えた。

 何となく賑やかなクリスマスイブの食卓にシャンパンを開けた。孫たちの好きなフライドチキン、食後は昨日の残りのケーキを味わい、サンタさんのプレゼントの話で盛り上がった。我が輩は、戴いてきた郷土料理の棒鱈の甘露煮で冷酒がはこんだ。
 明日の朝の孫たちの喜ぶ顔を想像した。
 


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