年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

築地本2-3 築地市場年代史⓶

2021年07月08日 | 築地市場にて
築地市場  -クロニクル完全版1603-2018
福地 享子著  築地魚市場銀鱗会著 東京 朝日新聞出版
 東京都の中央卸売市場史というのが上下2巻の本がある。築地の移転の騒動は4年ほど前の一時夏枯れのTVワイドショ-で全国に報道されていて、来客の人からどうなっているのと聞かれた。コロコロ変わる東京都幹部の話とぶれない反対派の中で、移転にある思惑が外部の人にみえてきた。でも築地の人は強引にやっていると知っていたが移転賛成派が多く、様子を眺めていた。

 2011年3月11日の震災時には水産部は大方業務が終わっていて、残務整理の人しかいなかった。しかし青果部は一日のデ―タ処理の最盛期の時間だったが、さすがに2度目の揺れでは、青果本館、別館から建物から距離を置いて、揺れるたびに壊れるタイルの落下を見ていた。会社で働いていた帰宅困難者を車に乗せ、3時には築地市場を脱出し、無事に送り届けた。

 10年も経たず、築地市場の移転騒動回顧録が出来るだろうが、この後は築地市場の再整備は記念碑しか残らない気がする。都心の交通の便の良い不動産は二度と出ないだろう。築地の本はあの騒動で全国に日本の食文化の中心と理解された。他の地方の市場の移転が中心地から物流に便利な地に移転しても騒がない。
 江戸時代から続いた仕事を食の流通の変化とDXという人知を超えたシステムで居ながらにして顔を見ながら世界と話し、商談する。そして数時間後には飛行機に乗って、異国の地で提供される。日本の高級料理店のは安すぎて、海外レストランなら十分採算が取れるという。築地市場の青果卸会社が2022年春に成田空港の隣に移転する、成田地方卸売市場と提携進出する。ここは豊洲で集めた商材を仕向け地に合わせて用意する市場でリンゴ等の高級農産物の輸出基地となる。
 築地は低迷している時期に、一般人が繁忙時間を過ぎれば、入場を黙認されていた。そして築地人の気が付かなかった良いところを見つけ外国人観光客の人気となった。豊洲へ移って、また前のように強い入場規制が戻り、食の安全安心は確保されたが何か観光客の満足が得られていない気がする。間も無くコロナとオリンピック騒動が終わり、平穏で話題が小さくなった豊洲市場が戻る。平成の初めはバブル崩壊だった。令和の初めはコロナによる飲食業の破壊だった。
 日本はコメの国で古来から酒は重要視され、物品税の始まりは酒税だった。今でも国税庁の酒税は食文化の中の必要な制度だが、今は酒酔い運転の交通事故やコロナ感染拡大促進者となっている。
 日本神話で天の岩戸の中に隠れたのを開けるため大騒ぎしたのは酒の力だろう。日本の宗教は酒が精進落としとして許される。

コメント
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