透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

アルコールな夜のブログ

2008-05-03 | A あれこれ

 イチローはベンチを出てから打席に入るまでの動作がきちんと決まっていて常にその動作を繰り返しているらしい。

私も日曜の朝のパターンが決まっていた。8時から「週刊ブックレビュー」を見てその後引き続き「新日曜美術館」を見るというパターン。ところが年度が改まって「週刊ブックレビュー」の放送日が土曜日に変わってしまった。新年度が始まって早や1ヶ月、未だに日曜の朝のリズムが定まらない、なんということだ。

前置きが長くなってしまった。何故今回随分昔の本をアップしたのか、それは・・・。

「週刊ブックレビュー」の司会を毎週務めている中江有里は若かりし頃の仁科明子に似ている。反論もあろうがあくまでも私の主観。今朝番組を見ていてそう思った。

ストライクゾーンを9分割してピッチャーの配球を分析することがあるけれど、中江有里仁科明子は共に同じゾーンに入る、と思う。他には・・・、石田ひかりも同じゾーンに入るかな。

「いい年して何を書く」そんな理性的な声は無視して先へ。アルコールなブログなのだ。

今朝の中江有里は半袖の白いシャツにちょっとフレアな黒いスカート、ショートヘアで知的な雰囲気。おじさん好みではないか。



彼女を見ていて昔のNHKのテレビ番組「白鳥の歌なんか聞えない」に出演していた仁科明子をなんとなく思い出した。

**彼女はからだにぴったりした白いタートルネックのセーターに、濃いブルーのミニスカートをつけて、まっ白なリボンで前髪を抑えて、白いぺちゃんこ靴をはいて、手をうしろなんかで組んじゃって、なんとなく幼稚園のお遊戯でアヒルの真似をするようなかっこうでひと足ひと足うなずくみたいにリボンを振りながらのんびりと歩いてきた。**

このシーンを演じた仁科明子が遠い記憶からおぼろげながら浮かんでくる。最近何故か昔のことをなつかしく思い出す。

ところでこの「白鳥の歌なんか聞えない」は薫くんシリーズの作品だが同じシリーズの『赤頭巾ちゃん気をつけて』には足の指の爪をはがした薫くんを診察する女医さんのこんなシーンが出てくる。


**でも次の瞬間にはもっとびっくりして、それこそほんとうに呼吸がとまってしまったかと思った。何故なら、彼女は白衣の下に、それこそなんていうか、つまりなんにも着けていなかったのだ。(中略)ぼくはそのちょっとかがみこむようにしている彼女の白衣の胸元から、彼女の眩しいような白い裸の胸とむき出しの乳房を、それこそほぼ完全に見ることができた。(中略)ぼくはもうあっという間に興奮してしまった。**

この作品は映画化されているが残念ながら観ていない。一体この女医の役は誰だったんだろう・・・。

願わくば再度映画化を、で女医の役は・・・。


                   

    薫くんシリーズの他の作品


 


なんとモダンな! 

2008-05-03 | A あれこれ

 建築トランプのシリーズ、もちろん最後の1枚まで続ける。残りのカードから今回引いたのは建築家土浦亀城の自邸だった。

建築関係の本でときどき目にするこの住宅が出来たのは戦前、昭和10年のことだ。既に70年以上経っているとはとても思えない、実にモダンなデザインだ。

建築家土浦亀城は大正12年に帝国ホテル(現在建物の一部が明治村に移築保存されている旧帝国ホテル)の現場でこのホテルの設計者のライトと出会う。ライトに請われてアメリカに渡って3年間ライトの事務所で仕事をして帰国している。

帰国直後はライトの作風を真似た建築を設計したもののその後デザインの針路を大きく変えてこの自邸のようなホワイトキューブを創る。同じくライトと仕事を共にして独立後もライト風の建築を設計しつづけた遠藤新とは対照的だ。

「昭和モダニズム」はこの土浦邸に始まるとも解されている。土浦亀城の住宅作品は取り壊されてしまっていて、現存するのはどうやらこの自邸だけらしい。



* 現在江戸東京博物館でこんな企画展が開催されている(同館のHPより)。左の写真は土浦邸の内部。
* 参考文献:藤森照信、増田彰久の名コンビによる『建築探偵 雨天決行』朝日新聞社


 


「くど造り」柳川の民家

2008-05-03 | A あれこれ

           810929撮影

 棟端に馬の耳のような突起がある。これは「みんのす」と呼ばれる棟端飾り。民家 遠い昔の記録、今回は水郷の町として知られる柳川の「くど造り」。

コの字型のプランに寄せ棟の屋根を掛けるとちょうど「くど」のような形になるのでこう呼ばれる。有明湾に注ぐ筑後川流域に分布する民家。

閉鎖的なロの字型のプランは都市型住宅のプロトタイプのひとつとして定着しているが、このくど造りにもロの字型がみられる。構造的に非常に丈夫になるから台風に対応して出来た形だろうと解説する文献もある。

ここ柳川は福岡に所用で出かけた際訪れた。ゆったり流れる時間、川下りがなつかしい。

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そして柳川といえば『廃市』 福永武彦のこの秀作、既に絶版・・・。