透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

未来建築に美を感じるか

2008-05-06 | A あれこれ

 北京オリンピックのメインスタジアム「鳥の巣」。2003年から始まった建設工事は困難を極めたそうです。今朝NHK衛星第1テレビでこのメイン会場の建設工事の記録を再放送していました。

使用された鋼材4万2千トン、1,000人を超える溶接工が工事に関わり「鳥の巣」が少しずつ編み上げられていきました。24本の柱から2本ずつ、計48本のメイン梁が反対側の柱に向かって伸び、さらに小梁が縦横無尽に掛けられています。この複雑な立体フレームには溶接箇所が極めて多いのですが、誤差3ミリ以下という高い精度が要求されたそうです。溶接箇所は全て超音波探傷試験を行ったとのことです。

ところで気温の変化で鋼材は伸び縮みしますが、そのにげを確保するために溶接しない部位を128か所設けたそうで、あたかも呼吸するかのように建物が形を変えるそうです。もちろん目に見えるような大きな動きではないでしょうが。ただ番組では確か最後にこの部分も溶接したとレポートしていたような気もします。この辺は私の理解が曖昧です。

学生の頃超高層ビルの建設現場を見学する機会がありましたが、やはり日の当る面の鉄骨部材が伸びるため、建て方の精度管理が大変だと説明を受けたことを覚えています。

それにしても不規則で無秩序に見える「鳥の巣」、従来の建築の美とは、かけ離れていると思います。

建築の近代化とは建築を構成する要素を単純なルールに基づいて秩序づけることでした。有機的な形から幾何学的な形への移行、と捉えることも出来るでしょう。

このような視点でこの「鳥の巣」を捉えることは出来ません。建築は既にその先への道を歩み始めたようです。先日取り上げたモード学園の「コクーンタワー」(西新宿)や「スパイラルタワー」(名古屋)などもその実例として挙げることが出来そうです。海外のかなり先を行く実例も雑誌に紹介されています。

幾何学的な単純な形から再び複雑な形へ、設計や施工へのコンピュータの導入がそれを可能にしました。

私のような「古い」人間は残念ながらこのような未来建築を美しい!と感じる感性も知性も持ち合わせてはいません。


「顔」

2008-05-06 | A 読書日記



■ 早いものでブログを始めて2年経ちました。ブログを始めたことをお知らせしたのは知人、友人20人にも満たなかったと記憶しています。今では閲覧者数が100人を超え、閲覧回数がその2倍、3倍となることもあります。多くの人に読んでいただいていることを嬉しく思う反面少し戸惑いもあります。酔ったふりして品のない事も書いていますし・・・。

顔が見えないということが、ネット上の繋がりを成立させるあるいは条件なのかもしれません。リアルな繋がりと違う点です。ときどき思うのです。一体どんな人が閲覧しているんだろう、と。先日オープンハウスに出かけた時、設計者のMさんから「ブログ、毎日読んでますよ」と言われて驚きました。

私もいくつかのブログを登録していてときどき閲覧しています。知人、友人の書いているブログもありますが、全く知らない人のものもあります。実に濃い内容を豊かな表現で綴ったもの、ユーモアのセンス溢れるものなど、一体どんな人が書いているのだろう・・・、と思うことがあります。それは新聞のコラムでも同じです。

今朝の「タウン情報」というローカルなタブロイドサイズの新聞にコラムの執筆者7人が顔写真付きで紹介されました。1995年6月創刊の新聞が2,000号に達したことを記念しての企画でした。

農村での日々の暮らしを綴るSさんのコラムは時には世界経済に、地球環境にと話題が及びます。今朝の新聞で白ひげの温和なお顔のおじいさんだと分かりました。

ところでこのブログ、このまま書き進めば7月頃(?)1,000稿となります。そのとき顔写真のアップ・・・、やめておきましょう。プロフィール欄の2、3歳の頃の写真で今の私を想像して読んで下さい。(^0^)