大屋根の架かる半屋外空間、セカンドリビング。
目板張りと塗り壁材くし引き仕上げの外壁。
■ 建築史家であり建築家でもある(今や順番が逆かな)藤森照信さんは「建築は素材だ」と言います。なるほど、藤森さんが手掛けるのはいつも手づくり感あふれる天然素材建築です。縄文建築団という素人集団が藤森建築の施工を楽しんでいます。
今日の午後、住宅の見学に出かけました。長野県内の住宅メーカーが手掛けたこの大人の棲家「四季」も天然素材の家でした。
構造材には根羽杉を使っているそうです。杉材は松材などより強度はやや落ちるものの、木肌が美しく上品で、数寄屋建築には欠かせない材料です。床は赤松の無垢材、珪藻土で鏝むらを出した壁仕上げが柔らかく温かみのある雰囲気を醸し出しています。天井は杉板張り。壁との取り合いは底目地仕上げ、にげが利かない仕上げで施工は大変ですが、見た目はすっきり。
リビングに繋がる和室、壁と天井は珪藻土仕上げ、この部屋も廻り縁がなくすっきりとしています。床の間の壁と襖に使われているのは薄い桜色の和紙、床柱は茶室によく使われる百日紅ですが、モダンな和室によく合っています。
日々の暮らしを優しく包むように感じる杉板張りのヴォールト天井、心地よい空間です。
ところでこの住宅に使われている木材の大半が長野県産だと案内していただいた方から伺いました。国産材を使えばウッドマイレージは例えばシベリヤ産の材料を使う場合の1/7、北欧材の1/14で済むと先日朝のラジオ番組(日本全国8時です ゲスト月尾嘉男氏 0515(木))で聞きました。
フードマイレージと同様にウッドマイレージも高いのが日本の現状ですが、このように「地産地消」で地球環境にも優しい住まいづくりを実践しているこの工房信州の家に拍手です。