▲グラフ1
▲グラフ2
▲グラフ3
■ 日本の食料自給率が30パーセント台にまで落ち込んでいることは時々マスコミでも取り上げますから、よく知られていると思います。では木材はどうでしょう。先日参加した「人と環境にやさしい住まいづくりセミナー」のプレゼン(グラフ1)によると平成9年に国内自給率が20パーセントを割り込んだとのことです。
このことから木造住宅に使用される木材の約8割は「外材」というのが実情だという理解でほぼ合っているでしょう。このような状況下にあって、セミナーを主催した長野県内のある会社で建設している木造住宅は約8割地元長野県産の木材を使っているとのことでした。
グラフ2は長野県に於ける林業関係従事者数の推移を示しています。セミナー会場で撮った私の写真が鮮明でないので判然としませんが、昭和40年には1万人を超えていたのその数は、平成17年には1,500人位にまで減少しています。
グラフ3には国産材に比して輸入材がいかに輸送エネルギーを要するかが示されています。欧州材を輸入するのに要するエネルギーは木材1立方メートル(m3)あたり原油220リットル(l)と読み取れます。
食料同様、日本の木造住宅(木造に限りませんが)がいかに環境に負荷をあたえて建設されているかが分かります。
このような状況を知ると県産材8割の住宅、地産地消住宅が何を意味しているのかが自ずと分かります。そう、森林保全に有効で輸送エネルギーをほとんど使わない「環境にやさしい住まい」というわけです。
日本の国土の約67パーセント、長野県では約78パーセントが森林でありながら(同セミナーの資料)あまり資源として活用されていないという現状はどう考えても不自然、不合理だと言わざるを得ません。食料も木材も自給率が僅か4、50年で今の水準に急激に落ち込んでしまったのは何故なのか、少しでも自給率を回復するにはどうすればよいのか・・・、私にはそこまで考察が及びません。
せめて「パスタ」ではなく「コメ」を食べ、「ビール」ではなく「日本酒」を飲む、そんな生活を心がけたいと思います、などと書いてはみましたが・・・。
*セミナー主催者の了解を得てプレゼン資料を掲載しました。