透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ファッション

2009-09-05 | A あれこれ
 先日、若い女性がこの頃よくしているレギンスと胸元にキャミソールを見せるファッションについて書いた。インナーのアウター化、本来下着だったレギンスやキャミソールを見せるようになったのは、実は神様の作戦ではないかというアルコールな夜の仮説。でも翌日読んでみてなんとなく気になって削除してしまった。性欲などという言葉が出てくるなんて、

でも、再び書く。



環境ホルモンの影響がヒトにも及んでいて、オスの精子が減少してるそうだ。上のどちらの本だったか、フランスやイギリスの調査結果が紹介されていた。当然性欲も減退しているだろう、と中年オジサンは考える。その結果が「草食系男子」ではないのか。

草食系男子とは恋愛やセックスに縁がないわけではないのに積極的ではない、「肉」欲に淡々とした男子のこと、と検索した解説文にある。男の性欲が減退しているとすれば種の保存に関わる大問題。本の赤い帯のように**人類はもう子孫を残せない!?**と心配になってくる。

そこで神様が採った作戦というのが、女性のファッションを過激にというか刺激的にすることだった。

求愛行動でディスプレイをする鳥、ヒトも同じだ。刺激的なディスプレイをしないと・・・。テレビに出てくるタレントもアナウンサーも、街を歩く女性も「見せキャミ」ファッション。

あれが刺激的なディスプレイかどうかは意見が分かれるかもしれない。別に刺激的でもなんでもないじゃん、という意見ももちろんあるだろう。

中年オジサンとしてはどうも馴染めないのだが、神様の作戦ならしかたがない。成り行きに注目しよう・・・。

一度嵌まると、逃げられない作家です。

2009-09-05 | A 読書日記



 『心と響き合う読書案内』小川洋子/PHP新書。

先日この本を紹介していただきました。で、早速購入。まえがきによると現在も放送中のラジオ番組で紹介した本をほぼ一年分をまとめたものだそうです。

目次を見ると、川上弘美の芥川賞受賞作『蛇を踏む』が取り上げられています。あの独特の世界を小川さんはどのように紹介しているのだろう・・・。

**普通は、「私」と「あなた」、「私」と「蛇」は、それぞれの輪郭によって隔てられています。おのおのが自分の輪郭の内側にとどまることで、自分なりの秩序に守られています。ところが川上さんの小説では、輪郭も細胞膜も全部が溶け出し、みんなが一つの沼の中で絡み合っているような世界があらわれてきます。川上さんは、言葉でこういう世界がつくれるということを示してくれたのです。** 

「あわあわ」「ふわふわ」「ゆるゆる」などという曖昧な表現でしか説明できない私などとは違って、小川さんはこのように明快に川上さんの小説世界の魅力を紹介しています。小川さんの代表作で映画化もされた『博士の愛した数式』新潮文庫の解説で数学者の藤原正彦さんは小川さんの印象を清楚な大学院生のような人だったと書いていますが、まさに真面目で優秀な大学院生が書くような紹介文です。小川さんは川上さんを**一度嵌まると、逃げられない作家です。**と評しています。そうです、もう私は逃げ出すことが出来ません。

これから、カフェ・シュトラッセにこの本持参で出かけます。