透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

路上観察 松本のレトロなビル

2009-09-26 | A あれこれ
 

 松本市大手(松本駅から北へ徒歩で5分くらい)のところにあるレトロなビル。

さて困った、建築探偵失格な私はこのビルを解説することが出来ない・・・。が、少しだけ試みる。建築年代は、戦前、おそらく昭和初期(昭和8年だと分かった)。3階の縦長の窓の窓台はさて・・・、スクラッチタイルが貼ってあったかな? スクラッチタイルは当時よく使われたが。コーナーを丸く面取りしてあるが、これも当時の建築の特徴。

2階の正面の外壁だけ一部仕上げが違うのは何故? どうも今回の改修工事によるものではないようだ。建設当時1階は道路側に出ていてバルコニーになっていたが、昭和40年代に行われた道路拡幅のために後退させた、ということが分かった。外壁の仕上げの違いはその時の工事によるものであろう。

1階は内部外部とも改修されている。以前は薬局だったが、今は工房になっている。2階は今月4日にオープンしたカフェ+ギャラリー「LABORATORIO(ラボラトリオ)」。

今日の昼過ぎ、ここに初めて入った。内部はすっかり改修されていたが、レトロな雰囲気は保持されていた。

このビルが建て替えられていたら、魅力の乏しい街並みになってしまっただろう。街並みは各時代の建築によって重層的に構成されることで魅力的になる、と繰り返し書いておく。

追記

そうか、「LABORATORIO」という名前はむかし2階が「実験室」だったことに因んでいるんだ! 今度出かけた時オーナーに訊いてみよう。

山形県鶴岡市(旧朝日村)の民家

2009-09-26 | A あれこれ





 山形県の旧朝日村(現在は鶴岡市)は山形と鶴岡を結ぶ六十里越街道のほぼ中間地点にあります。私が月山の麓にあるこの村を訪れたのは80年8月のことでした。記録がないので旅程の詳細は分かりませんが、一日に数本しかないバスで山形から鶴岡に向かって移動したことは確かです。バス停の時刻表を撮った写真がありますから。

民家 昔の記録、今回載せた写真は多層(養蚕のために4層くらいの床で構成されています)民家の里として有名な田麦俣から程近い大網という集落で撮ったものです。

寄せ棟の屋根には平側と妻側に「ハッポウ」があります。棟の中央には箱型の煙出しがついています。棟はもともと樹皮(杉皮)で覆っていたようですが、このとき既にトタンに変わってしまっていました。それでも角材をX状に組んだ千木のようなグシが載っています。残念なことに棟の端部にあるはずの棟止板が残っていません。

昔は民家を訪ねて全国各地を巡りましたが、ここは再訪してみたい場所のひとつです。


下は望遠レンズを使って撮った写真です。当時は交換レンズも持って出かけていましたが、今はポケットサイズのデジカメを使って、安易に撮るだけになってしまいました。