
棲息地:京都の清水寺近くの店先
京都へ2回目の修学旅行に出かけたのは06年の1月のことだった。そのとき確か清水寺の近くにいたネコたちの写真。建築に棲む生き物たちを取り上げることにしたので、日の目を見ることに。
店先の3びきのネコ、店内の招きネコを不思議そうに覗いている。自分たちの仲間のような、そうでないような姿・・・。
■ 「引き算の美学」 カフェ バロのブログにこのことばがあった。カフェのデザインとしてこの引き算の美学を意識したという。
20世紀を代表する建築家のひとり、ミース・ファン・デル・ローエが建築のありようとして唱えた「Less is more」。このことばの意味するところって、「引き算の美学」に通じると思った。
もちろんミースのことばは、ただ単に空間の「美しさ」だけを指しているのではなく、「機能」も含む総括的な建築のありようを指していると思うが。
カフェ バロに漂う適度な緊張感が心地良い。ピリっとはりつめた空気にちょっと居住まいを正す。知的で都会的な空間! ここで交わす会話に相応しい話題って、芸術か翻訳小説か・・・。
壁のポスター、シンプルで抽象的な形がいい、「青」がいい、木のフレームがいい。この空間にピッタリ!やはり空間デザインはトータリティだ。全体から部分、細部に至るまでコンセプトに添って矛盾無く、といっていいかどうか、破綻無く、の方がいいかな、まとまっていることが大切だ。そう、食器のデザインに至るまで・・・。コーヒーカップも紅茶のカップもデザインが空間デザインにぴったり。これはうれしい。
次回は黄昏時。グレーに沈む景色、そこに浮かぶいくつもの小さな灯りを観ながらコーヒーを飲もう。