■ 金子みすず 大正末期に優れた作品を発表した童謡詩人。
よく知られているのは「わたしと小鳥とすずと」という作品でしょうね。
**わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面(じべた)をはやくは走れない。
(中略)
すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。**
みすずは西条八十に童謡詩人の巨星とまで称賛されながら、26歳の若さで自ら命を絶ってしまいました。
そのみすずが娘ふさえが3歳のときに発した言葉を書きとめていた、というのです。ふさえさんは「私は捨てられたのだ」と思っていたそうですが、『南京玉』を読んで深い愛情を持って接してくれたことがわかったそうです。
『南京玉』を読むと母親が我が子に注いだ愛情が伝わってきます。
この小さな本をなぜ買い求めたのか忘れてしまいましたが、記録するということの意義がよく分かります。