透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

根拠

2011-03-27 | A あれこれ

 福島第1原発と女川原発の敷地の海抜を知りたくてネットで調べてみた。女川原発はすぐに分かった。東北電力のHPに約15メートルのところに立地してると記載されている。過去に経験した最大級の津波のおよそ倍の高さということも同HPに紹介されている。

福島第一原発についてはどうもはっきりしない。東京電力のHPでは見つけることができなかった。海抜5~6メートル位という資料が見つかったが、正確かどうか分からない。

福島第1原発は津波の想定高さを5.7メートル(福島第2原発は5.2メートル)としていたことが新聞記事などで分かった(ただしこの数値も正確かどうかは不明)。女川原発と同様、安全率を2倍にしていたなら、福島第1原発の敷地は海抜約12メートル以上ということになるが、東京電力のHPに掲載されている「施設全景を収めた空撮写真」で護岸の様子などを見ても、そこまではないように思われる。だとすると、安全率をもっと低く設定していた、ということだろうか・・・。

今回の原発のトラブルは非常用発電機が津波で機能しなくなったことに主因がある。津波の想定高さをどのようにして決めたのか、そして敷地の海抜が安全であると判断した根拠が知りたい。

今日(27日)の朝刊には過去の津波(869年に起きた貞観津波)を調査した研究者が、福島第1原発を大津波が襲う危険性を2年前に指摘していたという記事が載っている。ここで「たら」、「れば」となるが、その指摘を真摯に受け止め非常用発電機の改修をしていたら、していれば、今回の事故は防げた可能性が高い、と思う。 女川原発の立地がこのことを示している。

津波の危険性の指摘に直ちに応じる必要無しと判断した根拠が知りたい・・・。


メモ)
産業技術総合研究所 活断層・地震研究センターの研究による「貞観津波の数値シミュレーション」
http://unit.aist.go.jp/actfault-eq/seika/h21seika/index.html


安曇野の屋敷林

2011-03-27 | A あれこれ

 「屋敷林と歴史的まちなみプロジェクト」が安曇野に点在する屋敷林を調査する活動を続けていたが、ようやくその成果が1冊の本とマップにまとめられた(写真)。



本のあとがきによると平成20年6月に景観サポーターの屋敷林グループを中心に「屋敷林と歴史的まちなみプロジェクト」が設立され、以来18回の現地調査と、なんと55回の会議を経て、この度の活動報告の発刊になったという。

安曇野の景観を構成する要素として重要な屋敷林も近年次第に減少しているそうだ。プロジェクトのリーダーは巻頭の挨拶文でこのことについて触れ、その理由として、剪定費用が毎年かかること(所有者の費用負担は相当な額になるだろう)と近隣への落ち葉の気がねを挙げている。

プロジェクトでは今回の調査を屋敷林保全のためのファーストステップと位置付け、この先基金を集めたり、屋敷林の手入れの手伝いをするボランティアを募ったりするというような活動展開も構想しているようだ。

安曇野の屋敷林を守っていこうという取り組みが、景観や生活環境をどのようにして保全していくのか、という全国的な共通課題に対する有効な答えになることを期待し、このような活動を続けているスタッフの皆さんに感謝する。


安曇野市三郷にて