透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

菱田春草展

2011-09-10 | A あれこれ



 今年は日本画家の菱田春草没後100年にあたるそうで、長野県信濃美術館と飯田市美術博物館(春草は飯田出身)でそれぞれ特別展が開催されている。

善光寺の東隣、城山公園内の長野県信濃美術館で今日(10日)から始まった「没後100年 菱田春草展 ―新たなる日本画への挑戦―」を観てきた。

日本の風景の特徴は朧(おぼろ)にある。多湿な気候風土が輪郭をぼんやりと曖昧にする。ならば輪郭を描かないで、かすむ風景を描くことはできないか・・・。新しい描法を果敢に試みた菱田春草の画業の軌跡。約120点の作品展示。芸術の秋のはじまりにいい作品展を観た。

印象に残った作品は「武蔵野」、「秋景」、「夕の森」。

作品に添えられている解説の明快さが実にいい。春草が36歳で夭折したことは知らなかった・・・。

会期は10月16日(日)まで。



メモ 「菱田春草没後百年記念特別展 春草晩年の探求 ―日本美術院と装飾美―」@飯田市美術博物館 10月2日(日)まで

 


交流の場

2011-09-10 | A あれこれ

 「交流の場」と「プロポーザル」の2語で検索すると数多くのサイトがヒットする。

美術館、図書館、庁舎、学校、保育園、老人ホーム・・・、建築の用途が何であれ、プロポーザル(建築の企画提案)では「交流の場」をつくるという提案が必ずなされる。「交流」とか「交流の場」という言葉が使われていない提案書はまず無いだろう。



「交流の場」はただ空間が提供されるだけでは成立しない。交流が生まれるような積極的なはたらきかけ、活動が必要だ。よく言われるようにハードだけではだめで、ソフトが重要なのだ。この意味において、松本市梓川のカフェ バロで行われている「ミニミニ講座」という企画は興味深い。

先日、私は「火の見櫓っておもしろい」と題して1時間余りプレゼンをさせていただいた。プレゼン終了後、食事をしながら、コーヒーを飲みながら、初対面の「受講生」と語らい、楽しいひと時を過ごした。「交流」ってこういうことなんだ、とその時思った。今はネット上のバーチャルな交流ツールがいくつもある。でも私はリアルな現実世界での交流の方がいい。

「交流の場 バロ」で既に何人かと知り合いになった。これからどんな人と出会い、どんな交流が生まれるだろう・・・。