■ 「朝日村文化祭」の古本コーナーで入手した4冊の本、『江戸の絵を愉しむ』 榊原 悟/岩波新書を半分くらいまで読み進んだ。
なるほど! こういう仕掛けを江戸の絵師たちは考えていたのか・・・。遊び心というのか、斬新なアイデアにびっくり。
例えば写真の虎の襖絵。襖を開けた状態では虎は両サイドの襖の後ろに隠れている。それが襖を閉めたとたんに巨大な虎が姿を現す。この「演出」は襖の開閉によってはじめて可能になる。見事な演出というほかない。
掛幅画(掛軸)の演出。掛緒を掛けて軸を回転させながらするすると下方へ下げていくことで次第にことの状況、全体像が現れてくる、という演出。
その実例として示されている「大仏殿炎上図」。高く立ちのぼる巨大な炎と煙、画を下げていくと、やがて画面最下部に描かれている大仏殿が見えてきて、それが燃えていることが分かるという仕掛け。
本書で初めて知る江戸の絵師たちの演出、仕掛け。なかなかおもしろい本に出合った。いったいどんな人がこの本を提供してくれたのだろう・・・。