JR二条駅 どうらや編み笠門をモチーフにしたようだ。外観は編み笠門そのもの。ユニークなデザインの駅だ。集成材のトラスによる架構。15日、この駅で地下鉄東西線からJR嵯峨野線へ乗り換えて嵯峨野へ移動したのだった。
16日の朝、JR京都駅で奈良行の電車を待つ。
原 広司設計の京都駅ビルの南壁面 単純な繰り返しにはしないという原美学。
JR二条駅 どうらや編み笠門をモチーフにしたようだ。外観は編み笠門そのもの。ユニークなデザインの駅だ。集成材のトラスによる架構。15日、この駅で地下鉄東西線からJR嵯峨野線へ乗り換えて嵯峨野へ移動したのだった。
16日の朝、JR京都駅で奈良行の電車を待つ。
原 広司設計の京都駅ビルの南壁面 単純な繰り返しにはしないという原美学。
■ 『東寺の謎 巨大伽藍に秘められた空海の意図』三浦俊良/祥伝社黄金文庫を読んだ。
□配置図
□講堂内諸尊配置図
興味深い内容の本だが、この伽藍配置についても空海は曼荼羅を手本にしていると説く。**空海は国によって計画された伽藍配置をほぼ踏襲しながら、東寺の伽藍配置を使って、その上に密教の教えを映し出す巨大な空間を描いていった。**(38頁)
伽藍のほぼ中央に講堂があって、さらに講堂の真ん中に真言密教の主尊である大日如来を安置してる。このことは上の配置図と下の講堂内諸尊配置図(ともに東寺のリーフレットから転載した)から確認できる。
また著者は五重塔について次のように指摘する。**東寺には釈迦と大日如来、神々と仏、敵と味方、異国とわが国の共存がある。釈迦と大日如来の共存は五重塔で見ることができる。五重塔は釈尊の遺骨を安置するという役割を担うとともに、空海はこれを大日如来の身体とその働きと見なした。**(41頁)
また五重塔については次のように分かりやすく説明している。**五重塔はインドのストゥーパが起源である。ストゥーパとは、釈迦の遺骨を安置する舎利塔で、当初は土饅頭の形をした墳墓であった。仏教とともに中国に渡り、中国で楼閣建築と結びついて何層にもおよぶ塔になった。そして、わが国に伝えられ、いまのようなスタイルに変化していった。**(108頁)
五重塔内部の様子については次のように説明している。**四天柱のなかに須弥壇をもうけ、中心の心柱を背にして金色の四如来を安置した。東に阿閦(あしゅく)、南に宝生、西に阿弥陀、北に不空成就を配し、その如来の脇侍に八大菩薩像をおいた。**(108頁) この配置は講堂内と同じだから上の図で確認できる。
では肝心の大日如来は?
空海は心柱を大日如来と見做したのだという。これが一般的な解釈かどうか分からないが、なるほど!な説明だ。
遷都当初、平安京では官寺である東寺と西寺しか建立が許可されなかったそうだ。歴史に疎いし、いままで東寺について調べたこともなかったから、東寺が大火災に遭って存亡の危機にさらされたこともあったということはこの本を読むまで知らなかった・・・。現に西寺は今は無い。
旅行前にこの本を読んでいたら、「秋 古都の旅」で見学の優先順位が違っていただろう。次回はこの本がすすめる櫛笥小路から北大門に至るコースで東寺にアプローチしてみたい。
■ 20日の午後、東京都内で開催されたあるセミナーに参加した。早朝松本を発って国立新美術館で現在開催中のこの展覧会を観る時間を確保した。
点描の画家と聞いて真っ先に浮かぶのがスーラだ。スーラの描法はゴッホやモンドリアンに多大な影響を与えたとリーフレットにある。チケットに採用されているゴッホの「種まく人」も点描画だと言えなくもないだろう。
国立新美術館の空間構成は実に分かりやすく、この大きなホールに入ると、展覧会場が一目で分かる。会場が分からないなどということはない。
会場は以下の5つのセクションで構成され、約100点の作品が展示されている。
Ⅰ 印象派の筆触
Ⅱ スーラとニャック 分割主義の誕生と展開
Ⅲ ゴッホと分割主義
Ⅳ ベルギーとオランダの分割主義
Ⅴ モンドリアン 究極の帰結
いいなと思う作品は出品作品リストに簡単なメモを記しながら観ていった(許可されている筆記具は鉛筆だけで、受付で借りることができる。このことはどの展覧会でも同じだろう)。
▲ 私がいいなと思った作品のほとんどが絵はがきになっていた。ということは独自の鑑賞眼を持っていないということだろうか・・・。一番印象に残ったのはゴッホのこの「麦束のある月の出の風景」という作品。
シンプルな構成の風景画。大胆にそして力強く月明かりの風景を描いているが、不思議なことに静寂な空気を感じる。
▲ これはポール・シニャックという画家の「マルセイユ港の入口」という作品。この絵を前に「スーラに倣った描法、あたたかみのある夕景、朝にも見える明るさ」とメモした。
▲ これはゴッホの「ルピーヌ・デュ・ロワ運河の洗濯場」という絵。スケッチをこういう線で描いてもいいかもしれないな、と思った。常に同じ描き方をする必要などない。
▲ これは私が好きなモンドリアンの作品。「色彩のコンポジションB」という名前が付けられている。「第一次世界大戦の勃発によりオランダに留まることを余議なくされたモンドリアン 1917年 転換期を迎える 自然のモチーフから抽象へ」 これは作品に添えられている紹介文のメモ。垂直と水平の黒の太い線と色面によるシンプルな構成。モンドリアンの絵はやがてもっと単純化されていく。
モンドリアンの風景画も展示されていた。「突堤の見えるドムブルフの浜辺」は単純な浜辺の光景を描いている。いや、単純化して描いているのかもしれない・・・。モンドリアンの抽象志向が分かるような絵だ。
目にした瞬間、いい絵だな、好きな絵だなと思った作品だけをじっくり鑑賞するという方法を採ればあまり時間をかけずに済む。時間がないときはこの方法に限る。