信濃毎日新聞1月5日付朝刊8面
■ 外出していないのでブログネタも身近なところから。
今日(5日)の信濃毎日新聞朝刊の読書欄に「書評委員10人が選んだ2014年の一冊」という記事が掲載されている。
このような企画はどの新聞でもすると思うが、紹介されるのは一般読者が読むのだろうか、と思ってしまうような本、例えば経済や歴史の専門書であったり、高価な翻訳書であったりすることが結構多いように思う。が、この読書欄で紹介されている10冊は読んでみようかなと思えるような本ばかりだ。
『マンボウ思い出の昆虫記』北杜夫/信濃毎日新聞社
この本は既に読んだ。**北杜夫文学の原点を知るためにもきわめて貴重な本である。(中略)抒情的な長篇「幽霊」も、青春の記念碑「どくとるマンボウ青春記」も、本格的な山岳小説「白きたおやかな峰」も、すべてここから生まれてきた。魔法の玉手箱のような珠玉の作品集である。**と評者の山本 省さんが書いている。
北杜夫が旧制松本高校時代に書いた「思出之昆虫記」という幻の記録が収録されているが、これだけでも貴重な本と言えるだろう。
『メルトダウン 連鎖の真相』NHKスペシャル「メルトダウン」取材班/講談社
暴走する福島第1原発を必死で食い止めようとした運転員たちの行動を詳細に跡付けている、と紹介されている。4号機の燃料プールには1500本以上の燃料棒が入っていて、プールの水がなくなったら日本はお終い、という状況だったそうだが、たまたまプールの横に水タンクがあるという幸運で破局を逃れることができた・・・、ということだそうだ。これも読んでみたい、いや読まなくてはならない本だ。
『小さいおうち』中島京子/文春文庫
今月末に公開される山田洋次監督最新作の原作で直木賞受賞作。映画で音楽を担当した久石譲さんがこの小説の書評を書いている。
他にも『棄国子女―転がる石という生き方』片岡恭子/春秋社や『江戸幕末滞在記』エドゥアルド・スエンソン著・長島要一訳/講談社学術文庫など読んでみたい本が紹介されている。
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年越し本の『空海の風景』司馬遼太郎/中公文庫 の上巻をようやく読み終えた。下巻を読む前にどれか一冊読んでみようかな・・・。