■ 火の見櫓のカテゴリーで「せんだいメディアテーク」のチューブをとり上げることになるとは思ってもみませんでした。
この建築で目をひくのはなんといっても鋼管を鳥かごのように組み合わせた「チューブ」と呼ばれる組柱です。設計者の伊東豊雄さんのごく初期のメモに海草とある、ゆらゆらした柱のイメージを具現化したものです。
何年か前、この建築を見学してきましたが、情けないことにまともな写真がありません・・・。上は13本のチューブに組み込まれた諸機能を示す図で、ポストカードになっています。
前々稿で、火の見櫓もこのチューブ(筒)と同様の構造と見做せるのではないかと書きましたが、そのようにはできないということのようで・・・。チューブと見做すにはやはりスケスケ、部材が少なすぎるということなのでしょう。他にも理由があるかもしれません。
ところで火の見櫓は建築基準法で規定されている工作物に該当し、高さが8メートルを超えるものを今建設するためには確認申請をする必要があります。で、火の見櫓の構造安全性を証明しなくてはなりませんが、現存するような非常に細い鋼材から成る構造ではなかなか難しいのではないか、と直感的に思います。現行法だとNGという結論になってしまうかもしれません。立体構造の優位性をきちんと評価するような解析ができるかどうかで結論が違ってくるような気もしますが、さて・・・。