■ 漱石の作品で読んだことのあるものを挙げる、となれば、『坊っちゃん』と『吾輩は猫である』を挙げる人がたぶん多いだろう。続く作品となると『こころ』や『三四郎』、『草枕』あたりか。
『道草』や『それから』、『門』、『行人』などの教科書に作品名が出てくるようなものは、知ってはいてもきちんと読んでいないという人が案外多いかもしれない。などと私的なというか、個人的な事情をもって一般化してはいけないか・・・。昔、漱石の作品はひと通り読んだ(つもり)だが、内容はあまり覚えていない。
自室の書棚から『道草』を取り出した。カバー裏面に**近代知識人の苦悩を描く自伝的小説。**とある。そうか・・・。内容をすっかり忘れているが、読むなら寒いこの時期が相応しい作品だろう。