透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

梅にうぐいす

2014-02-08 | F 建築に棲む生き物たち




棲息地:朝日村のそば店「ふじもり」の障子の額 撮影日140208

 この国から消えていくものは様々ありますが、住宅の和室もそのひとつでしょう。まだ絶滅危惧空間ではないかもしれませんが・・・。従って和室を構成する要素の床の間、たたみ、襖、障子なども消えつつあるということなのでしょう。こんな状況ですから、普段この写真のような額付障子を目にする機会はあまりないでしょうね。このような額付障子は戦後あまり使わなくなった、という事情もありますから尚更でしょう。

朝日村にあるそば屋さん『ふじもり』まで出かけてきました。店内にこの障子がありました。『ふじもり』は古民家を改修した店ですから、このような障子をわざわざ使ったのでしょう。梅にうぐいすという春の図がすりガラスに描かれています。

寒さ厳しい日々、春が待ち遠しいです。梅が咲き、うぐいすが啼く春が早く来ますように・・・。


  


スクラップ

2014-02-08 | D 新聞を読んで

    

 建築史家の鈴木博之さんの逝去を7日の朝刊で知った。手元に1972年7月28日の毎日新聞に掲載された鈴木さんの論文のスクラップがある。「都市の未来と都市の中の「過去」」と題するこの論文に興味を覚え、スクラップしておいた。40年以上も前のことだから、そのときのことははっきとは覚えていない。あの頃は興味を引く記事をスクラップしていた。都市や建築、生物に関する記事が多い。

**歴史的地区だからといって、建物全体を保存することは、むずかしい。建物の内部には、都市活動の営みがあり、建物は営みに制約を与えるからである。都市の営みに対応しながら歴史的な面影を消滅させない方法を考えなければならない。**とこの論文中にある。そしてその方法論について論じている。

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7日の信濃毎日新聞の記事には鈴木さんの略歴に加え**JR東京駅の赤れんが駅舎復元や愛媛県八幡浜市の日土小学校の修復保存など、各地の近代建築の保存活動で大きな役割を果たした。**と業績が紹介されている。



私は鈴木さんの著書の熱心な読者ではない。が、例えば「日本の近代」全16巻の『都市へ』中央公論新社(発行1999年)などは再読し、日本の都市の近代化に関する知識としたい。


謹んで哀悼の意を表します。