透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

546 筑北村坂北向原の火の見櫓

2015-05-28 | A 火の見櫓っておもしろい


546 東筑摩郡筑北村坂北(旧坂北村)向原にて 撮影日150527



 善光寺の御開帳には電車で出かけた。電車の窓から火の見櫓を探していて、この火の見櫓の屋根が長野道の向こう側の小高い丘の上の樹間にちらっと見えた(撮影位置が少し違うので上の写真には写っていない)。ヤグラセンサーの感度は今なお良好。昨日、迷うことなくこの火の見櫓に到達することができた。脳内GPSも健全。 

3角形の櫓に6角形の屋根、6角形の見張り台。ごく一般的なタイプの火の見櫓。梯子の段数とそのピッチによって、見張り台の高さが約7m80cmと分かった。



見張り台の対辺が平行ではない、この6角形は歪んでいる。意図的に見張り台を歪ませた例は珍しい。梯子を見張り台の床面より上まで伸ばしてあるのは昇り降りしやすくするための配慮として好ましい。



脚部はトラスを組んで、脚元まで伸ばしてある。これは好ましい。この火の見櫓がカバーしているエリア、集落についても調べたいところだが時間的な余裕がなかった(と言い訳)。


 


真々部諏訪神社 神明社の狛犬

2015-05-28 | C 狛犬



■ 安曇野市豊科高家の真々部諏訪神社には境内社の神明社があり、そこにも1対の狛犬(獅子・狛犬)がいた。

 

台座の大きさが約240×360、像の高さが約400と小振りだが、力強く、存在感がある。



阿形の獅子、鍛え上げた体。胸を張り、きっちり蹲踞の姿勢を取っている。鬣(たてがみ)が美しい。耳はたれている。





台座に彫り込まれた文字、「昭和十年一月 東京市 酒井八右衛門」。二代目酒井八右衛門は大正7年に没しているから、この狛犬の石匠は昭和33年没した三代目酒井八右衛門。初代は江戸三大石匠のひとりだという。


吽形の狛犬 阿形の獅子より摩耗が進んでいるようだ。狛犬の耳は立っている。





刻字の名前は辛うじて「野村保太郎」と読める。同じ境内にある別の大きな狛犬の台座にあった「野村保泉」と同一人物。野村保太郎は二代目酒井八右衛門の弟子、屋号で保泉とも称していたのだが、この「泉」は酒井八右衛門の屋号の井亀泉(せいきせん)の泉から取ったもの。

同時期(昭和9年10月と昭和10年1月)に同じ神社に納められている2対の狛犬。その台座に刻まれている野村保泉と野村保太郎という同一の石匠の名前。このふたつの名前をどのように使い分けていたのかは分からない。

東京に仕事場を構えていた石匠の狛犬が遠く信州安曇野にあるというのは、一体どのような縁によるのだろう・・・。