安曇野市豊科南穂高寺所の諏訪松尾神社(寺所地区の産土神) 鎮守の杜全景 ここが狛犬の棲息地だ。
石造の台輪鳥居
常盤橋越しに拝殿を見る。
社務所
本殿を風雨にさらすことを避けるために鞘堂内に納めている。このようにしている本殿も珍しくない。
摂社 右から若宮社(誉田別尊)、八王子社(五男三女之神)、天満宮(菅原道真)
この神社を守護している獅子・狛犬
■ 獅子に角無し、狛犬に角ありのはずだが・・・。ここは獅子に角あり、狛犬に角無し、宝珠を載せて、だ。
これはどうしたことか・・・。
先日読み終えた『狛犬誕生 神獣のルーツをたどる』塩見一仁/澪標 によると寛政7年(1795年)に発行された『諸職画鏡』という職人のための絵手本には一対の狛犬の絵も載せられていて、向かって右の阿形の頭に角があり、左の吽形の頭には宝珠を載せているそうだ。
このことについて塩見氏は**どう考えてもこの絵の左右は、伝統的な獅子・狛犬の姿から考えると間違っていると言わざるを得ない。しかし、この絵を手本にして、そのまま間違った獅子・狛犬を製作した石工がいたことも確かである。**(344頁)と書いている。
もしかしたらこのような事情に因るのかもしれない。
阿形の獅子は口の中に玉を入れているが、これは珍しいとのこと。
体の表面の表現がユニークだ。
尾はなかなか凝った造りになっている。これはよほど自信がないとできないのでは。尾が破損することだってあるだろう・・・。
台座に刻まれた文字により明治四十一年生まれの狛犬で、産みの親は諏訪神宮寺の北原柳太郎という石工だと分かる。また、明治三十七八年戦捷記念とあるから日露戦争の勝利を祝って建立したのであろう。東郷平八郎が揮毫したことも分かる。
台座寸法 400×900
像の高さ 約1000
像の長さ 約 800