透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「砂の器」

2019-04-13 | E 週末には映画を観よう



■ 映画「砂の器」をレンタルDVDで観た。007シリーズ全24作品をすべて観終え、次はまずこの作品(1974年(昭和49年)公開)を観ようと思っていた。

『砂の器』/松本清張は中学生の時に読んだが、この推理小説が読書好きになるきっかけになった。

決して知られたくない過去を知る人物、会ってはならない人物との再会がもたらす悲劇を扱った作品。ちなみに『ゼロの焦点』も同じモチーフ。

映画では「東北弁とカメダ」という事件のカギを追うベテラン刑事の今西を丹波哲郎が演じ、今西と事件を追う若手刑事の吉村を森田健作が演じている。殺人をしてまで自分の過去を隠し続けようとした主人公の作曲家・ピアニスト、和賀英良を加藤 剛が演じ、和賀の過去を知る元駐在所の警察官は尾形 拳。過去ログ

逃れようにも決して逃れることのできない親と子の「宿命」が映画のテーマ。映画の後半では和賀作曲のピアノ協奏曲「宿命」の初演がハンセン病(映画ではらい病と呼称している)を発症した父(加藤 嘉)と子が村を離れて放浪の旅を続けるシーンに効果的に重なる。この放浪の旅のシーンに昨晩(12日)も涙した。ここにさらに今西刑事が事件の全容を語る捜査会議のシーンも重なる。優れた演出だ。

「砂の器」はいつかもう一度観たい作品だ。