透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「鳥肉以上、鳥学未満。」

2019-04-22 | A 読書日記



■ 『鳥肉以上、鳥学未満。』川上和人 @スタバ

Q:この本の出版社はどこでしょう。上の写真は画像処理をして出版社を消してあります。



A:岩波書店です。あの堅いイメージの岩波でこんなデザインの本を出版していたとは・・・。



本の内容についてはエピローグから次の件を引用しておく。

**無飛翔性の祖先は、飛行を誘発する条件を持っていた。事実、1億5000万年以上前に彼らは空に一翼をかざし、未知の世界への進出を試みた。しかし、飛行初心者のその体は、まだ祖先の名残を引きずっている。歯のある口、肉々しい尾、重い体、いきなりタカのように自由自在に飛べたわけではない。べらぼうに長い時間をかけ、今に至る空を飛ぶための形を洗練させてきた。
私たちの食卓には、その成果がいとも簡単に紹介されている。真っ白なテーブルクロスに並ぶ小洒落たウェッジウッドに鎮座するのは、単なる栄養源であろうか。否、そこには博物館にも引けを取らない無限の情報が、気の遠くなるほどの長い進化の歴史が、私たちに見出されるのを今か今かと待っている。**(181頁)

例えばモスバーガーでモスチキンを食べる時、ボーっと食べないで、観察すればいろんな情報が得られると説いている。持ちやすい骨の正体は上腕骨。

食肉としてポピュラーなささみはどこの部位の肉か。それは何をするための肉か。この本で知ったが、ささみは翼を持ち上げるための筋肉。

「知らなかった情報」満載本、なかなかおもしろかった。