■ 『月はすごい 資源・開発・移住』佐伯和人(中公新書)を読んでいる。「第1章 月の科学」に出てくる話題。
♪ 出た出た月が まるいまるいまんまるい 盆のような月が
この文部省唱歌について、著者は幼少の頃**「盆のような月だって。それじゃあ学芸会のために幼稚園の先生が段ボール紙で作った月みたい。なんてつまらない見方をしているんだ」**(43頁)と思ったという。球体の月を平面状のお盆のように見るなんてつまらない、というか、おかしいと思ったということ。
ところが、ところが。**平面が砂地のように荒れていると、入射した光は四方八方に散乱されて跳ね返るので、この平面をどの角度から見ても、同じような明るさに見える。**(44頁) このような平面を拡散反射面というそうだ。
月の表面はレゴリスと呼ばれる微細な粉体で覆われているので、拡散反射面。このような月は中心付近も周辺部分も同じような明るさで見えて、まるで盆のように見えるのだそうだ。なるほど確かに満月を見ても中心部分は明るく、周辺部分は暗い球体のようには見えず、平面状の円に見える。
今まで何十年も球体の月が平面的に見えることを不思議にも思わず、満月を見ていたなぁ。というか、月が球体であることを意識していなかった・・・。