透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「進化とはなにか」今西錦司

2020-09-11 | H ぼくはこんな本を読んできた

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 既に何回も書いたが今年の5月に本をかなり処分した。文庫は約1,140冊処分し、その結果、残ったのは約250冊。残った文庫をここで取り上げようと思ったのと、昨今の外出自粛によるネタ不足を補うために「ぼくはこんな本を読んできた」というカテゴリーを設けた。だが残した文庫を全てここに載せることもあるまいと、このカテゴリーは100稿の記事で終わりにする、としばらく前に決めた。既に90稿、残りは本稿を含めて10稿となった。

残りを自覚すると、各稿おろそかにできないと思い、どの本を取り上げようかとあれこれ考える。おそらく人生も同じだろう。「一寸の光陰軽んずべからず」と朱熹の偶成にあるが、この頃、ようやくこの人生訓を意識するようになった。


床の間に掛けた人生訓、朱熹の偶成 

横道にそれた、本題に戻そう。

『進化とは何か』今西錦司(講談社学術文庫1978年第6刷発行)、この本も20代の時に読んだ。

**突然変異と自然淘汰説により理論武装された正統派進化論に対し、著者は名著『生物の世界』以来、生物の進化とは種社会を単位とした生物の世界の歴史的発展であるとの立場から、一貫して疑義を提起している。豊富な踏査探検と試練の上にはじめて構築された今西進化論は正統派進化論を凌駕する今世紀最大の理論の一つである。進化論はあらゆる問題にまたがる本質的認識であるがゆえに、本書に要約された今西進化論こそ必読の文献である。** 以上カバー裏面の本書紹介文から引用した(下線は私が引いた)。