320
■ 「ぼくはこんな本を読んできた」。今回は『茶の本』岡倉覚三(岩波文庫1992年第81刷発行)。岡倉は本名の覚三より天心の名で知られる。
この本の購入動機は分からない。茶道にそれほど関心あるわけでな無いが、茶室には興味があるので、読んだのかもしれない。7章から成るが、第4章は茶室について論じているし、続く第5章では芸術鑑賞について論じている。
例によってカバーにある内容紹介文から引く。**茶の湯によって精神を修養し、交際の礼法をきわめるのが茶道である。その理想は、禅でいうところの「自性了解」の悟りの境に至ることにある。この本は、そうした「茶」を西洋人に理解させるために著者(1862―1913)が英文で書いたもので、単なる茶道の概説書ではなく、日本に関する独自の文明論ともいうべき名著。**
奥付によると、この本の初版は1929年。ぼくが持っているのは1992年発行で、なんと81刷。
名著は読み継がれる。