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■ 今は講談社学術文庫を読むことは稀だが、20代のころはよく読んでいた。この『近代科学の誕生(上)(下)』も20代で読んでいる。
この本にはしおりを挿む代わりに隅を三角に折り曲げたページがある。これはドッグイヤー(犬の耳)と呼ばれ、どこまで読んだのか分かるようにするもの。いまではしなくなったが、当時はよくしていた。ところどころに書き込みもしてある。
例によってカバー裏面の本書紹介文(下巻)から引く。
**本書は、今日における名著のひとつに数えられてしかるべきものであろう。一般歴史における科学史の意義を明らかにし、科学史の中での「科学革命」の本質を解明した点で、この著者が果たした役割はきわめて大きい。人類史上、近代科学の誕生こそはすべての社会的・政治的変革にもまして「革命」的な重大事件であり、この「科学革命」こそは科学史的考察の原点であるという認識は主として本書に由来するのである。**