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『僕に方程式を教えてください 少年院の数学教室』高橋一雄・瀬山士郎・村尾博司(集英社新書2022年)
■ 本書にかけられた幅広のブルーの帯に**数学の授業が矯正教育に驚きの効果をもたらす**とある。なぜ、数学の授業が矯正教育に有効なのか・・・。
**論理的思考の視点から、数学教育は生活指導における自分の考え、経験を文章化するための論理的思考の基盤となり、彼らの「内面を言語化」する下支えになっていると言って過言ではないと考えます。
「内面を言語化」するとは、いわば、自己を客観的にとらえ直すことであり、漠然と感じていた罪への反省感情をきちんととりだせる、自分を確立することにつながります。**(116頁)
なるほど、こういうことなのか、と思いながら読んでいる。
**「心の扉には取っ手は内側にしか付いていません。外側には取っ手がないのです」**(12項,124頁)
内発的に心を開くようになる子どもたち・・・。
子どもたちのこころを育てるということはどういうことなのか、どうすればそれができるのか。今年の読み納めは重いテーマの本になった。