■ 『近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻』山本義隆/岩波新書を読み終えた。
この本の章立ては次の通り。
序文
第1章 欧米との出会い
第2章 資本主義への歩み
第3章 帝国主義と科学
第4章 総力戦体制にむけて
第5章 戦時下の科学技術
第6章 そして戦後社会
第7章 原子力開発をめぐって
おわりに
日本の科学技術の欧米からの導入から破綻に至るプロセスの論考。
少し長くなるが「おわりに」から引用したい。
**かつて東アジアの諸国を侵略し、二度の原爆被害を受け、そして福島の事故を起こした国の責任として、軍需産業からの撤退と原子力使用からの脱却を宣言し、将来的な核武装の可能性をはっきりと否定し、経済成長・国際競争にかかわる低成長下での民衆の国際連帯を追求し、そのことで世界に貢献する道を選ぶべきなのだ。**(292頁)
このように著者は主張している。だが現実はこのような方向には全く進んでいない。この現実を憂うべきだ。