■「風の谷のナウシカ」を観た。
巨大産業文明が崩壊してから1000年
錆とセラミック片におおわれた荒れた
大地にくさった海・・・腐海(ふかい)
と呼ばれる有毒の瘴気を発する菌類の
森がひろがり 衰退した人類の生存を
おびやかしていた
冒頭この映画の状況設定が示される。人間の愚行によって破壊し尽された地球の自然、文明。火の7日間というのは核戦争を意味している。核戦争が起きてしまうという悲劇的な未来・・・。
この映画の見方は人によって様々かもしれない。主人公のナウシカが人間と自然の折り合いをつける主導者となって、自然再生、人間社会の再興を目指す姿が描かれている。ぼくはこの映画をこのように理解した。
余談だが、見始めて、あれ手塚治虫の絵と雰囲気が似ているなぁ、と思った。また、後半になって腐海の底に落ちこんだナウシカが見上げる大木が立ち並ぶ光景はガウディのサグラダ・ファミリアに似ているな、と思った。
「もののけ姫」では山犬(オオカミ)に育てられたサンを自然の代表として、アシタカを人間の代表として描き、ふたりの関わりを通して自然と人間とが共生するに至る過程が描かれた。ナウシカはサンとは違い、自然と人間を共生に導く、どちらにも属さないそれこそ神のような存在として描かれていると思う。ラストはそのことを示す象徴的で印象に残るシーンだった。
宮崎作品を「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」、そしてこの「風の谷のナウシカ」と観てきた。さて次は何を観よう・・・。