6 村野藤吾展/汐留ミュージアム
セクション1 建築家・村野藤吾を読み解く15のキーワード
セクション2 村野藤吾のインテリア
セクション3 建築家の内的世界
村野藤吾の建築、とりわけディテールへのこだわりの凄さをあらためて実感しました。村野藤吾の作品は実用的な建築の世界を越えて美術品、工芸品にまで高められています。あるクライアントの「建築が芸術であることを初めて知った」という言葉を、以前八ヶ岳美術館で行われた長谷川尭さんの講演で知りましたが、その言葉がこの展覧会でも紹介されていました。
箱根樹木園休憩所貴賓室のインテリアとその詳細図、日生劇場の螺旋階段、新高輪プリンスホテル(グランドホテル新高輪)客室前の空間に設えた枝折戸と照明器具、自邸の緑豊かな庭の計画。この展覧会で村野藤吾の代表的な作品をいくつも観ましたが、私は重要文化財にも指定されている広島の世界平和記念聖堂(1954年)が好きです。
建築は時の流れの中にあって、時が建築を規定するということを実感できる作品です。同じ広島にある丹下健三の平和記念資料館とよく比較されますが、この2つの作品はふたりの建築観の違いをよく示していると思います。
以上で週末東京の記録を終わりにします。
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