■ 本離れが進み大学生の2人に1人は月に1冊も本を読まないという時世に「読書の秋」という言葉が有効なのかどうか。もっとも私は読書は秋に限らず通年の生活の一部を成すべきことだと思ってもいるが。
J・P・ホーガンという英国作家の『星を継ぐもの』創元SF文庫の続編、320ページ細かな活字がびっしりの『ガニメデの優しい巨人』を読み終えた。
人類は地球ではなく、ミネルバという火星と木星の間にあった惑星で進化した・・・。このミネルバを破壊した生き残りが地球に来て今の人類の祖先となった・・・。これよりはるか昔、ミネルバにはガニメアンという巨人(知的生命体)がいた・・・。
宇宙から木星探査船に向かって急接近してきた謎の宇宙船。その宇宙船からくり出され、探査船とドッキングした飛行体の中から姿を現したのは2500万年前のガニメアンたちだった・・・。
やがて彼らは木星探査隊と共に地球を訪問、そして再び宇宙へ・・・。
奇想天外な発想がリアルな科学的知見によって壮大なストーリーに仕立て上げられている。登場人物の原子物理学者や生物学者らが交わす専門的な会話。そう、これはまさにサイエンス・フィクション!
ストーリーはさらに『巨人たちの星』、『内なる宇宙』へと続く。
スマホで短文読むのもいいけど、紙の本で長編読むのはもっといい、とおじさんは思うのだ。