透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

週末東京 その1

2014-07-20 | A あれこれ

 19日土曜日、松本発6時51分のスーパーあずさ4号で新宿へ。新宿着9時27分、定刻通り。地下鉄大江戸線に乗り換えて六本木へ。駅から徒歩で5分、国立新美術館に着く。


コンクリートのコーンの下で東京の友人と待ち合わせ。「オルセー美術館展」を観る。


ここで、来日中の世界一有名な少年と対面。他にミレーの「晩鐘」やモネの「サン・ラザール駅」など有名な作品も来ていて充実した展覧会だった。



「ヴァイオリンのある静物:バッハへのオマージュ」


「ニースの窓辺」

次、渋谷のBnkamuraザ・ミュージアムで開催中のデュフィ展へ。デッサンは上手いとは思わないが、色彩が実に美しい。なめらかな描線と透明感ある油彩画に魅せられた。





次、地下鉄千代田線の千駄木駅から徒歩5分、団子坂を上って森鴎外記念館へ。チケットの奇妙な形の「鴎外」はローマ字表記の名前をうまく並べて漢字にしたもの。展示された鴎外の一生を見る。


既に夕方の6時近く・・・、千代田線で湯島へ。友人の案内で細い路地を進んで、着いたのがふくろう亭。ふたりで赤ワインを1本と生ビール。肴は全て美味、言うこと無し。夜は更けて・・・。


 


― 火の見櫓の形を数値化する

2014-07-19 | A 火の見櫓っておもしろい

 数値化する



 17日付信濃毎日新聞朝刊の第三社会面にこの記事が掲載された。**顕微授精に用いる精子は、元気に動いている、頭がきれいな楕円形をしてる、など外見的な印象で選ぶのが一般的で、厳密な基準はなかった。研究チームは頭の形を数値で表し、客観的な指標にできないかを研究した。** 

「精子の形を数値化」という記事に興味を覚えた。

精子の頭の形を数値化する・・・。記事によると信州大学病院の研究チームは精子の頭の形を長さと幅の比、前後対称性、左右対称性、角張っている度合い、この4つの数値で表すことに成功したとある。

4つの数値のうち、頭の長さと幅の比はわかるが、残りの形の対称性や角張っている度合いについては、どのように数値化したのか見当もつかない。 

グラフ化する 

数値化したらそれをグラフ化する。


7月4日付信濃毎日新聞朝刊17面(スポーツ面)から転載

サッカーのワールドカップブラジル大会でベスト8に勝ち進んだチームの特徴を示すグラフ。縦軸を試合中のパスの数、横軸をチームの走行距離として各チームの数値をプロットしている。このグラフがベスト8が出そろったところで新聞に掲載された。

走行距離はヨーロッパのチームがいずれも平均を上回り、中南米のチームは下回っている。両者のサッカーの違いがはっきり出ている。ブラジルとドイツとではパス数も走行距離もドイツが圧倒的に多い。ドイツがブラジルに圧勝したのもこのグラフで頷ける。

火の見櫓のプロポーションの数値化とグラフ化

このようにある事柄の属性を数値化してそれをグラフにすることで特徴を明らかにし、ビジュアルに示すことができる。それを火の見櫓でやってみよう、ということを前から考えている。


安曇野市穂高にて 撮影日20110828

脚部の直上の水平部材(横架材)と見張り台直下の水平部材の長さの比率(逓減率)と櫓の見張り台の床面までの高さ、この2つの数値で示したらどうだろう・・・。他にもあるだろうが、いまのところこの2つの数値が適当だと考えている。

2つの数値なら上のサッカーチームの特徴を示すグラフのように平面上の直交座標にプロットすることができる。要するに紙の上にグラフ化することができるということだ。数値が3つになると平面上にはグラフ化しにくくなる。

縦軸を高さ、横軸を逓減率にしてそれぞれの火の見櫓についてプロットすると、例えば東信の火の見櫓は背が高くて逓減率が小さいものが多い、というような地域的な傾向がはっきりするだろう・・・。 


  


岳の幟

2014-07-17 | A あれこれ



 塩田平を走る別所線の電車と火の見櫓のツーショットを撮りに出かけたのは13日(日曜日)のことだった。ちょうどその日、別所温泉で雨乞い行事の「岳の幟(たけののぼり)」があった。

新聞記事(14日付信濃毎日新聞朝刊)によると、この行事は室町時代、1504年の干ばつを機に始まったとのことで、国選択無形民俗文化財だという。

当日は朝4時ごろ、地元の自治会の役員ら約30人が夫神岳(おがみだけ)山頂に向かい、山頂の祠に反物を奉納して五穀豊穣と無病息災を祈願したそうだ。その後、幟を掲げながら下山。午前8時ころから温泉街で行列をはじめ、花笠を頭に載せた地元小学校の女子児童が「ささら踊り」を披露した、という内容を記事は伝え、写真も載っている。

事前にこの行事のことや行われる日時を知っていれは早朝に出かけて華やかなささら踊りを観たのに・・・、残念。

街には竹竿に色とりどりの反物を付けた幟があちこちに飾ってあったので、何だろうと思って写真を撮ったが、この行事の幟だったのか・・・。


 


別所線 八木沢駅

2014-07-15 | A あれこれ


路上観察 130713

■ 別所線の電車と火の見櫓のツーショット写真を撮った場所のすぐ近くにこの八木沢駅がある。なかなか味のある駅舎だと思って写真を撮った。

ネットで調べてみると開業が1921(大正10)年とある。外壁はおそらく何回も塗装され、屋根も改修されているだろう。だが、駅舎そのものは当時のものかもしれない。

桁行4間で梁間は2間だが、半間は上部のみ持出し、方杖で支えている。この構造がこの駅舎を特徴付けている。

外壁がもっと地味な色だったら、渋かっただろう。まあ、これはこれでいいけれど・・・。


 


494 動く鉄、動かない鉄 別所線

2014-07-14 | A 火の見櫓っておもしろい


 上田電鉄の別所線は上田駅と別所温泉駅間、およそ12kmを結ぶローカル線です。その沿線で動く鉄と動かない鉄のツーショットを撮るべく出かけました。

ここは別所温泉駅。後方に火の見櫓(再)の上部が見えています。


494 別所温泉駅の隣、八木沢駅の近くで静動両鉄を撮りました。 動鉄は1000系電車



このラッピングは原田泰治がデザインした「自然と友だち1号」だそうです。

撮影日 140713  


 


― 火の見櫓の立地条件 

2014-07-13 | A 火の見櫓っておもしろい



 松本から上田の別所温泉へは国道254号で有料の三才山(みさやま)トンネルを抜けて、旧丸子町を走り、県道65号でもう一度有料の平井寺トンネルを抜けて行くルートが一般的だろう。その間、旧丸子町では国道沿いに火の見櫓が何基も立っていて、火の見国道とでも名付けたいくらいだ。

これは松本市の三才山地区に立っている火の見櫓。高台に立っているので遠くからでも見ることができる。

火の見櫓の立地条件として、見張り台から集落内を一望することができ、半鐘の音も伝わることがまず挙げられる。高台に建てると、この条件については有利だ。

一方、火災発生時には消防団員がいち早く火の見櫓に登って半鐘を叩かなくてはならない。従って交通の便の良いことろが好ましいが、高台では良くないことも多いだろう。

このように両条件相反することも少なくないわけで、火の見櫓の建設場所を選択する際、このようなことをどう折り合いをつけるか、地域の人たちはあれこれ意見を交わしたことだろう。中にはすんなり決まったところもあるだろうが・・・。

火の見櫓が集落のどのようなところに立っているのか、その立地に注目して分析してみたいと常々思っているが、そのためにはじっくり時間をかけて集落内を歩きまわったり、建設当時の事情を知る古老にヒアリングするなどの必要があり、なかなか実行できないでいる。


 今までの観察結果を踏まえるに、集落内の中心部の主要道路沿いや辻に背の高い火の見櫓を建てるというケースが多いように思う。ただしこれは単なる印象に過ぎないから、個々に分析してデータを示す必要があるだろう。


493 火の見櫓のある風景 上田市内にて

2014-07-13 | A 火の見櫓っておもしろい



493 上田市小島



524 上田市古安曽



522 上田市八木沢

 先日所用で上田に出かけた際、あちこちに火の見櫓が立っていることがわかり、今日(13日)の午前中火の見櫓巡りに出かけた。

塩田平に点在する集落の中に在って、遠くからでもよく見えるランドマークとなっている。どれも姿形が整っていて美しい。



 


ホットのショート、マグカップですね

2014-07-12 | A あれこれ



 ときどき出勤前の小一時間、渚のスタバで本を読む。昨日(11日)のこと、オーダーする前に若い女性店員から「ホットのショート、マグカップ  ですね」と言われた。私のことをときどき来るロマンスグレーの素敵なおじさま 、そんなわけないか、白髪頭の変態っぽいじいちゃん、とでも覚えていてくれたのだろう・・・。ま、いっか。素直に喜ぼう。   

2階のいつもの席で鷗外の『雁』を読む。

日常の中に非日常なひとときを取り込むことって、大切ではないかと思う 、なんちゃって。

いかん、二日酔いじゃ・・・。


 


「日本型モノづくりの敗北」

2014-07-11 | A 読書日記



 コンピュータはPCからノートPC、さらにタブレットPCやスマートフォンへ・・・。このパラダイムシフトで半導体産業に求められている製品は「高品質」から「低コスト」に変わった。

高品質な製品をつくる技術力は優れているが低コストの製品をつくる技術力は劣っている日本の半導体産業はこのパラダイムシフトに適応できなかった、あるいは適応しようとしなかった。

「日本の技術力は世界一」、この技術力とは高品質の製品をつくることでしかなかった。産業界は高品質の製品ではなく、低コストの製品を求めていた・・・。

著者は日本の半導体産業が世界のトップに立った1987年に日立に入社する。その後、半導体産業の崩壊の過程をつぶさに見ることに・・・。

半導体産業の内情に詳しい著者は様々なデータを示しながら、零戦の時から繰り返されてきた「日本型モノづくり」の敗北を極めて冷静な眼で分析している。


第1章 私の半導体技術者人生
第2章 半導体とはいったい何か?
第3章 DRAM敗戦と技術文化
第4章 エルピーダとサムスン電子の違い
第5章 変わらない日本の技術文化
第6章 テレビ産業が崩壊したわけ
第7章 インテルの危機とファンドリー覇権争い
第8章 日本の強い技術力はどこにある?
第9章 イノベーションを起こすには

メモ:イノベーションとは「技術革新」ではなく「発明と市場の新統合」である。著者は「爆発的に普及した技術や製品」としている。世界が求める、必要とする技術でないと意味がないということか。


 

 


緑化目地

2014-07-10 | B 繰り返しの美学


撮影日 140707

■ 郵便局の玄関前、インターロッキングの目地に苔が生えていた。この緑化目地のパターンも「繰り返しの美学」のひとつ。

普段から「繰り返しの美学」を意識していないと、見逃してしまう・・・。


 


森 鴎外の命日

2014-07-09 | A 読書日記

 今日、7月9日は森 鴎外の命日、ということを6日の「パナソニック メロディアス ライブラリー」というラジオ番組で知った。ウィキペディアによると鴎外は1862年(文久2年)に生まれ、1922年(大正11年)7月9日に亡くなっている。

下は同番組のホームページを転載したもの。記事にある文京区立森鴎外記念館は雑誌「新建築」でも紹介された。来週末東京する予定、時間があれば訪ねてみたいと思う。

 

森鴎外の作品では「高瀬舟」が教科書に載っていたと記憶してる。他に「舞姫」や「阿倍一族」、「山椒大夫」等も読んだと思うが、覚えているのはタイトルだけで内容はすっかり忘れてしまった。

自室の書棚を探すと『雁』 新潮文庫が見つかった。奥付に昭和二十三年十二月五日発行 平成六年九月五日九十三刷とあるから読んだのは20年前のことだろう。この小説も内容をすっかり忘れている。今週末に読んでみよう。


 


弘長寺の紫陽花

2014-07-07 | A あれこれ


夏のフォトアルバム 松本市寿小赤 弘長寺の紫陽花  撮影日 140706

信濃あじさい寺とも呼ばれる弘長寺は松本市の郊外にある真言宗の古刹です。昨日行ってきました。山の斜面一面にいろんな種類の紫陽花が咲いていました。ちょうど見ごろでした。

 

 


 


― 火の見櫓の設計図!

2014-07-05 | A 火の見櫓っておもしろい

                                        



 昨日(4日)の夕方6時から、松本市梓川のカフェ バロでミニミニ講座「火の見櫓っておもしろい アップグレード版」を予定通り行いました。週末にバロで開催されてきたミニミニ講座、回を重ねて今回が14回目。

2年半くらい前、4回目の講座でやはり「火の見櫓っておもしろい」というタイトルで話をさせていただいています。今回はそのアップグレード版ということでしたが、昨晩の講座で話の内容がアップグレードされていたのかどうか・・・、自分でも気になるところです。 

高校の同期生のNさんが参加してくださったのには驚きました。彼女とは卒業○周年の記念イベント以来、久しぶりの再会でした。都合が悪くて参加していただけなかったFさんからは手紙をいただきました。  信濃毎日新聞に掲載された火の見櫓の記事がきっかけで知り合いになったOさんも参加してくださいました。

Oさんのお父様はかつて鐵工所を経営されていて、昭和30年代に各地の火の見櫓を建設しておられたとのことです。 過去ログ Oさんには今から50年以上も前に描かれた火の見櫓の設計図や工事契約書などの資料を持参していただきました。

上の写真はGL(地盤面)から屋根の軒まで48尺、約14.5mの高さの火の見櫓の設計図の原図です(ブログに掲載することを了承していただきました)。鉛筆で太さを一定に細い線を引くのは難しいですが、この図面は難なく引いています。実に美しい図面です。

端正な図面からは端正な火の見櫓が生まれます。櫓のプロポーションも、屋根と見張り台のバランスも良く、そして美脚。そんな火の見櫓の図面は保存状態が極めて良く、大変貴重な資料です。

Oさんから辰野町小野(建設当時は小野村)や山形村下竹田、松本市神林などの火の見櫓の建て方の様子を写した写真や茅葺きの民家を背に立つ火の見櫓の竣工記念の写真などが掲載されている冊子をいただきました。 

Oさん、大変貴重な資料をありがとうございました。

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ミニミニ講座「火の見櫓っておもしろい」に参加していただいた皆さんに感謝します。ありがとうございました。火の見ヤグラーになっていただけたなら望外の幸せです。 
 


 ○ カフェ  バロのブログの記事

 ○ のぶさんの記事