史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

高尾 Ⅱ

2009年01月12日 | 東京都
(桂福寺)


桂福寺鐘楼山門

 桂福寺は、高尾街道と滝山街道とが交わる戸吹町交差点の北西に位置している。八王子から青梅に自動車で通勤していたときは、毎日のようにこの横を往復していたのであるが、一度もこの寺に立ち寄ることはなかった。休日の午後、思い立って桂福寺を訪ねてみることにした。
 鮮やかな朱色が印象的な鐘楼山門は、八王子市の有形指定文化財に指定されている。山門を超えて本堂向かって左手の墓地入口に、屋根に覆われた三つの墓石がある。


天然理心流開祖近藤内蔵之助の墓(右)
同流二代 近藤三助の墓(左)
中央は昭和になって建てられた内蔵之助、三助を併記した墓である

 近藤三助は戸吹郷の出身で、この近在に道場を開いて天然理心流を広めた。戸吹のみならず、近郷から入門する者があとを絶たず、門下生は千五百人を超えたという。天然理心流は、近藤勇の養父三代目近藤周助に引き継がれた。そして天然理心流の名を全国に知らしめたのは、四代目新選組局長近藤勇を抜きには語れない。


天然理心流奉納額

 三つの墓石の背後には、天然理心流を受け継ぐ門人らが奉納した額が飾られている。細々とではあるが、現代にも天然理心流はこの多摩の地に受け継がれているのである。

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