史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

沼田 Ⅱ

2017年08月18日 | 群馬県
(穴原)
 関越自動車道を沼田ICで降りて二十分ほど山奥に向かって進むと、穴原という小さな集落に行き着く。朝五時に八王子を出て、穴原に着いたのは午前七時前であった。


剱士中澤貞祇墓

 今年(2017)の一月、黒木メイサ主演で「花嵐の剣士~幕末を生きた女剣士・中澤琴」がNHKで放映された。女剣士が牛若丸ばりのチャンバラを繰り広げる、一見すると荒唐無稽な時代劇であったが(マイケル・ジョーダンだって助走なしで二階に飛び上がることはできまい)、実は中澤琴やその実兄中澤貞祇(さだまさ)は実在の兄妹で、時代劇で描かれたように新徴組に属して江戸市中警護を担当した剣士であった。穴原の集落の真ん中辺りに中澤家の墓地があり、そこに中澤貞祇、琴の墓がある。これまで数多の墓を見てきたが、墓石に「剣士」「女剣士」という肩書きは初めてであった。


女剣士 中澤琴墓

 中澤琴の墓は、NHKの放映と前後して建てられたらしく、真新しいものである。墓の側面に「昭和二年十月十二日没 一相貞参大姉位 推定行年八十八才」とある。

 中澤貞祇を継いで三代目の養武館道場主となった中澤栄太郎(昭和三年(1928)、六十九歳にて没)は中央の比較的新しい中澤家の墓に葬られている。


養武館道場址

 中澤家の墓地の向い側に、代々中澤家が道場主を務めた法神流養武館跡を示す、石碑がある。初代は中澤孫右衛門、二代が中澤貞祇、三代は中澤栄太郎。道場は大正初期に焼失してしまったそうで、今はただ草っぱらが広がるのみである。

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