レスリングで3大会連続の五輪金メダリストである吉田沙保里選手の面白い話。
吉田選手は14連覇を果たした世界選手権の中で、残り3秒の時点で負けていたが、
最後の最後に逆転勝ちを成し遂げた試合があったそうだ。
「そういうときは焦らないんですか?」
という質問に対し、吉田選手は
「なぜ、焦るんですか? 一生懸命にやっていれば、残り3秒でも何でも、いつも一緒ですよ。
今に生きるということだけを意識していればいいんです」
こう答えたそうだ。
14連覇という安定したパフォーマンスは、このような普遍のメンタリティーの上に
成り立つものなんだと、やっぱり世界を制する人は違うのだと素直に感じた。
これは僕らの仕事にも通じる部分が多々ある。
少なくとも、僕は吉田選手のいう
『なぜ、焦るのか? 一生懸命にやっていれば、残り何秒でもいつも一緒』
と言うところは、凄く共感する。
計画通りに行かないかも知れない。
でもそれで焦って、普段と違うことをやると失敗する。
『結果』という目標に振り回されて、自分の置かれている状況に対して焦ってしまうと、
結果的に目標にたどり着けず、目標を下げざるを得ない・・・・なんてことはないだろうか?
僕の持論の一つ『遊びも仕事も楽しまなければ、いい結果は出ない』
狂気と言えるほどの喜びを感じて溌溂と何かをする。
結果はその後についてくるものであって、目指すべきは一瞬一瞬を一生懸命やること。
楽しもうと思ったら、一生懸命やらなければ楽しめない。
なんだか禅問答みたいになっちゃったけど・・・・・
僕は若い人に会うたびに、「楽しくやってるか?」必ず訊く。
しかし、殆どの人間は
「いや、楽しんでいる余裕はないです・・・」
と答える。
僕はそのたびに溜め息が出るし、何ともいえない気持ちになる。
結果は大事だけれど、だからこそ『楽しくやる』ことが重要なのに・・・・
プレッシャーがかかる仕事をやるときは尚更だ。
今の子はそういう面で、メンタルが弱いのかな?
結果に振り回され、狼狽し冷静な対応力を欠いて、楽しくない方向へ転げ落ちる。
今の若者には少年のような遊び心が、消えて無くなってしまった。
『遊びも仕事も楽しまなければ、いい結果は出ない』
これは絶対に間違いじゃない。
そんな風に感じて、毎日若い人を見続けているのです。