同窓会回顧録の3回目。
Tという、会社を経営する仲間と2次会で同じ席に座った。
左隣には中学生の頃から、辛口で男子を『馬鹿ばかり』と言っていたAちゃん、
右隣には2年生から同じクラスで、僕のお姉さんみたいだったSちゃんが座った。
Aちゃんは、近所に住んでいたこともあって、いつも怒られていた気がする。
一方のSちゃんは、女子バレー部の主力でありながら、
大人しくて優しい、女の子というより女性だった。
3年生の時に隣の席になり、その頃から何かと目をかけてくれていて、
どう見ても姉と弟みたいに、僕のことを可愛がってくれていた。
Tは幹事会でも一緒で、顔を合わせることが多かったのだが、
幹事会では話せないようなことを、この日は話すことが出来た。
昨日書いた
『お前は変わらずに、その生き方を続けてくれよな…』
は、このTが僕に対して言ってくれた言葉だった。
3人と夫婦関係の話をしたら、Aちゃんは『旦那が居ないと寂しい』という。
Sちゃんは10歳年上の旦那さんと結婚して、旦那さんは空気のような存在だという。
良い意味で、お互いを大事にして居るのだと・・・・。
この三人が『やんちゃ』なまま生きてきた僕に対して、色々と話してくれた。
Tがボソッと言った言葉
『お前は頭を下げたことがないだろう?』と言った。
言われてみれば、そうかもしれない・・・・
と言うより、そういう人生を意識して続けてきた。
ただ、勘違いしないで欲しいのは、ここでいう『頭を下げる』と言うのは
謝るときは、本気で頭を下げて来たし、お礼をする時も頭を下げた。
Tが言う『頭を下げる』も媚を売るような真似をする事だった。
確かに媚を売るように『頭を下げる』のは絶対に嫌だった。
Tは自分の経営する会社で、従業員の生活を守るために頭を下げてきたという。
頭を下げることで会社が上手く行くならいくらでも下げると・・・・
だから僕を見ていると、羨ましく感じるという。
自分の生き方や考え方を貫く生き方は、日本では『少数派』なのだという。
逆に海外へ行くと、それが当たり前。
要は日本人は個より組織をまず優先するが、欧米人は組織の中でも個を潰さない。
Tが言うには僕は日本より海外向き、海外では当たり前の人間が
日本では『少数派』の人間になってしまうのだと・・・・
『少数派』ゆえに、日本の会社のような組織優先の中では妬みや嫉妬を買うのだと。
確かに僕を疎ましく思う人間は多いと思う。
退職前に仕事を干された理由が未だに判らなかったけれど、
きっとそんな『少数派』を嫌った人間がそうしたのだと思うと、納得出来る。
日本の会社で自分の生き方を貫くのは、そうそうできるものじゃない。
だから僕を見ていると、妬むどころか逆に応援したくなるそうだ。
さっきの
『お前は変わらずに、その生き方を続けてくれよな…』
と言うTの言葉はそんな僕を羨ましく思いながら、応援する言葉だった。
これが本当の『仲間』なんでしょうね?
会社でも、プライベートでも自分の思うことを一生懸命やってきた姿は、
『仲間』が、そういう目で見守ってきてくれていた。
嬉しかったですね。仲間の言葉が本当に嬉しかった。
お姉ちゃんだったSちゃんも、微笑みながらその話を聞いていた。
還暦を迎えた記念の同窓会。
ちょっと心が癒された、素敵な集まりになりました。