今日は衣装をつけての通し稽古、初めての『ドレスリハーサル』が有りました。
僕が劇団に入った当時は、これという衣装のコンセプトなど無かった。
ただ、自分達が着たい衣装を持ち寄って、
衣装係が指示を出したのは、色をカラフルにする事だけだった。
特に女性は、シーンが変わるたびに着替えたりで、
その女性達が持参する荷物の多さはビックリするほどで、
楽屋の中や通路は衣装だけで無く、それを入れるスーツケースで溢れかえっていた。
男性は、女性達ほどの荷物にはならなかったけれど、
それでも最低三回は衣装替えをしていたかな?
だから、その当時の公演の写真を見ると、同じシーンなのに
日によって着ている衣装が違って居るなんて事も珍しくなかった。
6年ほど前から、劇団四季で衣装デザインを担当していた
小林巨和(みわ)先生に、配役のイメージを描いて頂いて、
そのイメージに近い衣装を、持参するようになった。
それで大きく変わったのは、衣装替えを殆どしなくなったこと。
基本的に、コンセプトに沿った衣装を最初から最後まで着る。
衣装替えをするには、それなりの意味がある時だけ。
プロのデザイナーの考え方はやっぱり、素人のものとは違いますね。
一昨年の芝居では、戦争後遺症の役をやって、衣装は茶系のつなぎだけ。
ラストシーンで、後遺症から立ち直ったというイメージを出すために
白いシャツに、ベストを着てブルージーンズに履き替えた。
全体的にデニムのスカートやシャツを必ず纏い、
ターコイスブルーや羽のアクセサリーで、アメリカ南部を連想させた。
去年は退屈なホテル住まいをする、金持ちの老人グループの役で、
最初のシーンは、普段着を着てくれと言う指定があった。
『金持ちほど、派手な格好をしない』というコンセプト。
逆に女性たちは金がなく、妙に着飾っているという皮肉ったもの。
男性陣はが着ていたシャツの見た目は確かに普段着なのだけれど、
話を聞いてみると、それぞれ量販店のスーツを買えるような物を、
僕を含めて、皆がさりげなく着ていたのが笑えましたけどね。
そのグループが、死ぬ前に周りをあっと言わせたいと言い出して、
ちょっとした悪事を企んでから、男性グループの衣装は黒いシャツで統一。
『悪事を企む親父軍団』を黒いシャツでイメージするもの。
これは凄く気に入った衣装でしたね。
今年の女性たちの衣装は爽やかな風をイメージするフレアースカート。
基本となるイメージカラーはブルー系と白。
今回の話は金持ちの家の遺産相続にまつわる話なので、
男性陣は執事が居たり、議員が居たりとバラエティーに富んでいて、
それぞれ役柄によって衣装のコンセプトが違う。
僕は何と、去年とほとんど同じ黒ずくめの衣装。
平穏な家にやってきた『悪い奴』と言うところです。
さて、今年の芝居はどんな結末になるのか?
4月23、24日の二日間の公演をお楽しみに!