映画とライフデザイン

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こわれゆく世界の中で  ジュード・ロウ

2011-07-28 05:51:05 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
「こわれてゆく世界の中」はロンドンを舞台にしたシリアスドラマ、監督は「イングリッシュ・ペイシェント」のアンソニー・ミンゲラだ。ジュードロウが主演で脇をベテラン美人女優の2人ロビン・ライト・ペンとジュリエットビノシュが固める。強い見せ場があるわけではないが、移民で人口が今でも増えている英国の特殊事情がよくわかる。



ロンドンの再開発に携わる若き建築家ウイル・フランシスことジュード・ロウは、共同経営者と共に都市開発プロジェクトの責任を担っていた。私生活では映像作家リヴことロビン・ライト・ペンとその娘と暮らしているが、結婚はしていない。娘は自閉症ともいわれ、夜中ずっと起きて奇声をあげたりして苦しんでいた。そのことが2人の関係の進展を阻んでいた。
彼のオフィスに泥棒が入った。窃盗団は東欧移民系グループで実行犯は少年だった。警察が取り調べるが再度泥棒が入る。オフィスはロンドンでも環境のよくないところだった。そのためジュードロウは夜自動車で会社の前で待機して様子を見ることにした。
何日か同じことを繰り返した後、誰かが事務所に侵入するのを見る。主人公は懸命に追う。逃してしまう。しかし、その一人が貧民街のマンションの中の一室に入るのを見る。玄関先で迎えたその少年の母親ことジュリエット・ビノシュには見おぼえがあった。縫製の仕事をしているようだ。ジュードロウは自分の身元を隠して彼女の元へ自分の衣服の手直しを頼みに行く。ボスニアの英雄である夫をなくしたジュリエット・ビノシュは、息子と二人で亡命してきた移民だった。そしてジュードロウとジュリエットの仲はいつしか進展していくのであるが。。。。



さまざまな人間模様を映し出していくが、この映画の主題は移民問題であろう。
日本と違いイギリスは人口が増えている。それも移民による人口増加である。アメリカ映画でもその題材が目立つが、よからぬ人たちも大量に流入している可能性も高く問題もおそらくは大量に発生しているのであろう。今回はボスニアからという設定だが、アルバニアとか東欧系からの移民が問題を起こす映画が多い。ジュリエット・ビノシュがボスニア移民を演じる。こうやって聞くと彼女の英語も多少不自然だ。あえてそうしているのかもしれないが。エスターやマイレージマイライフにも出ていたウクライナ系美人ヴェラ・ファーミガが娼婦の役で出てくる。映画に異種の色彩を与える役柄だ。


社会主義国家という矛盾にみちた経済体制はいつか破綻をきたす。それだけならいいが、めしが食えずに大量に他国に移動する。いずれ北朝鮮も同じようなことが起こるかもしれない。同言語を話す韓国や朝鮮族のいる中国だけでなく、日本にもルートをたどって来るだろう。

アンソニー・ミンゲラ監督はこの映画の2年後2008年に若くしてがんで亡くなってしまった。「イングリッシュ・ペイシェント」は好きなだけに残念だ。しかし、ここでは熟女の域に入ったジュリエット・ビノシュを脱がしている。「イングリッシュ・ペイシェント」ではクリスティントーマスのみ脱がしてジュリエット・ビノシュは傷痍軍人の面倒を見させるだけだった。ある意味ベテラン女優を脱がせるという特異な才能を持った監督だったのになおのこと残念というべきか?
コメント
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