映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

友情  渥美清

2012-07-11 17:32:48 | 映画(日本 昭和49~63年)
映画「友情」は昭和50年の松竹の作品だ。
渥美清と中村勘九郎が主演、美の絶頂というべき松坂慶子が美しい。

映画「大鹿村騒動記」とは類似点があることに気づく。
気になり映画を見た。渥美清の振る舞いは基本は寅さんと同じ、人情物が得意の松竹らしい作品だ。

同棲している主人公の大学生(中村勘九郎)とOL(松坂慶子)がいる。大学生は仕送りが途絶えて、OLは生計を立てている。申し訳なく思う大学生は群馬の山奥のダム工事現場へ出稼ぎに行くことを決意する。 OLには両親はいない。肉親のおじ(有島一郎)が、同棲した後彼女が男に捨てられるのではないかと心配していた。
主人公はダムへ向かう途中で一人の男源太郎(渥美清)とであった。道を聞くとダムまでまだまだ遠いという。
気のいい男は主人公をダム工事現場まで連れて行った。そこには下請けの土木会社の幹部(名古屋章と谷村昌彦)がいた。慣れない仕事に主人公は四苦八苦した。それでも飯場に一緒に住む源太郎は一緒にのみに連れて行ったりして仲良くしてくれた。ところが、主人公は運搬トラックが横転して骨折の大怪我を負う。出稼ぎができなくなった。恋人が見舞いに来てくれた後東京へ戻る。
普通の生活に戻ろうとしているとき、警察から電話がある。なんと源太郎の身元を引き受けてくれないかというのだ。警察署に向かうと飲んだ後街の中で大喧嘩したらしい。
主人公は自宅に源太郎を連れてくる。一緒に毛がにで酒盛りをするが、食あたりでしばらく主人公のアパートに寝泊りすることになる。
そこへ現れたのがOLのおじだ。主人公にはっきりしろと迫るが、主人公は「先のことはわからない」とばかりにはっきりしない。
そこで渥美清の得意の口上が始まる。
「男が女に甘えて何が悪いの?」とばかりに応酬する。その場はとりあえず収まった。
主人公は源太郎の故郷瀬戸内海の離島へ向かう。
しかし、源太郎にはそこへ帰りづらい事情があった。遊びの女にお金を持ち逃げされ、妻子を置き去りにしてきたのだ。。。。

(戸越銀座)台詞の中で主人公は戸越銀座に住んでいると言っている。品川の町並みが出てくる。
でもこの映像は明らかに戸越銀座ではない。地元だけによくわかる。
中学生から高校生にかけては、高校のある武蔵小山から、戸越銀座、大井というのは自転車でよく走ったものだ。映像の一部に「○品川」と○が陰に隠れた映像が出てくる。電車は高架を走る。ステンレスカーだ。それだけで池上線でないことがわかる。
おそらくは大井町線(当時は田園都市線)の下神明駅あたりの新幹線と交差するあたりではないか?
確かにこのあたりは西品川という住居表示だからつじつまは合う。
商店街の道路の幅も狭すぎる。これは戸越銀座商店街ではない。たぶん下神明付近ではないだろうか。公園の近くに高架が走っているので、この公園も戸越ではない。遊具にかかれた暴走族「ZERO」の文字が懐かしい。
仲間内でよくこの集会に参加すると自慢げに言っていたやつがいたっけ、ZEROは大井が地元だ。
あえて言えば主人公がラーメンをすする「太陽軒」というのが戸越銀座商店街の第二京浜を渡ったところに今もある。

(配役)自分が小さい頃は、周りに出てくる子役というと四方晴美のチャコちゃんか中村勘九郎神津かんな くらいだった。子供心にすごい存在に思えた。いずれも二世である。でも中村勘九郎が演じるような大学生っていたのかなあ?
松坂慶子がまばゆいばかりに「愛の水中花」で衝撃的な曲線美を見せたのはもう少し先だ。
美しい。当時「同棲時代」という劇画がはやっていた。その影響が強いので作られた脚本だろう。
名古屋章と谷村昌彦を見ると、昭和にタイムスリップした錯覚を覚える。この2人はよくテレビに出ていたなあ。特に渥美清の浅草時代からの盟友谷村昌彦のずうずう弁は学校でよくみんながまねしていたものだった。忍者ハットリ君実写での「ハナオカジッタ君」本当に懐かしい。

(大鹿村とこの映画の類似点)大鹿村騒動記では原田芳雄ふんする主人公の元を幼馴染の男と主人公の妻が駆け落ちをして出て行くシーンが出てくる。
この映画ではお金にまつわる失敗をして渥美清ふんするグータラ男が、妻子を残して瀬戸内海の離島を飛び出す。戻ってきたら妻は夫の幼馴染の男と一緒になっているのである。いずれも人口の少ないエリアでの恋愛、誰も彼もがみんなが知り合いだ。幼馴染同士も絡んだ相関関係ということが類似点である。
でも人口の少ない人里はなれたところにはこういうことってあるんだろうなあ。


コメント
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