映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「テイク・ディス・ワルツ」 ミシェル・ウィリアムズ

2013-04-30 05:46:39 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「テイク・ディス・ワルツ」は2012年公開の若手女性監督サラポーリーによるミッシェルウィリアムス主演の映画だ。

サラポーリーが監督した前作「アウェイフロムハー」で認知症の女性を描いた。これはよかった。
この映画も予告編をずいぶんとみて、行くつもりもあったが、上映中になかなか渋谷文化村に行く機会がなかった。

フリーランスのライターであるマーゴ(ミシェル・ウィリアムズ)は仕事で訪れた島で、ダニエル(ルーク・カービー)という青年に出逢う。情熱的な眼差しをもつダニエルに、何かを感じてしまうマーゴ。帰りの飛行機も一緒でダニエルとの束の間の時間を楽しむが、彼が偶然にも自分たちの家の真向かいに住んでいることを知り驚く。
マーゴは料理本を作る夫ルー(セス・ローゲン)と結婚して5年目だ。2人の間に子供はいないが仲睦まじく暮らしている。マーゴは意図せずダニエルと過ごす時間が増え、夫とは正反対の彼に惹かれていく。しかし、一線は越えず付き合っていた。ダニエルはマーゴの家のパーティにも来るようになっていた。マーゴはときおり普通に旦那に夜のお誘いをしようとしたが、あまりのらない。そう思っているうちにマーゴの気持ちは少しづつ変わって行ったが。。。

不倫映画である。
旦那とは仲がいいけど、あまりかまってくれないので、身近にいる男性とおかしくなってしまう話だ。女性監督の視線で描かれているので、男性の自分から見てよくわかりにくい場面もある。何で彼から離れてしまうのかな??と思わせる部分が多い。同じ不倫映画でも女性目線なので感情流入できない。

ここではミッシェルウィリアムズの気前がいい。何度も裸体をさらしている。これはどういうことであろうか?女性監督の方が開放的になるのかな。友人たちとのシャワールームのシーンにはみんなで裸をさらしている。ミッシェルの弛みのある裸体にちょっと意外感があったけど、逆にリアルだ。かえって日常的なストーリーと感じさせてしまうのは脱がせたサラポーリー監督の巧みさだろう。

美術や映像的には丁寧につくられた跡がある。
夫がつくる鳥の煮込み料理はすぐにも食べたいと思わせるおいしそうなものだし、不倫の2人をとりまく背景の映像もきれいだ。遊園地で「Video Killed the Radio Star」の歌に合わせて、主人公が乗り物に乗るシーンはいかにも楽しそう。それを楽しむだけでも見る価値はあった。

自由業同士の子供のいない夫婦で奥さんがこんな浮気をする話は日本でもよくある話だ。
この映画は女性には共感をもって受け止められそうな流れを持っている気がする。

テイク・ディス・ワルツ
優雅な不倫物語
(D)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「強奪のトライアングル」 ジョニートー

2013-04-30 05:42:20 | 映画(アジア)
映画「強奪のトライアングル」は2007年の香港映画だ。
香港ノワールを代表するツイ・ハーク,リンゴ・ラム,ジョニートーの監督3人でこの映画をつくった。俳優もサイモン・ヤムやラム・カートンといったジョニートー作品の常連が多いが、余分に解説をしてもらわないと何が何だかさっぱりわからない。途中からユーモアを交えた香港ノワールの動きになり少しはましになったけど、わかりづらいなあ。

エンジニアのサン(サイモン・ヤム)、タクシー運転手のファイ(ルイス・クー)、骨董屋のモク(スン・ホンレイ)の3人がバーで強盗話をしていると、老人が現れ、興味があったら連絡をくれと名刺と1枚の金貨を置いていく。前妻を事故で亡くしたサンは、前妻の友人だったリン(ケリー・リン)と結婚していた。しかし、多額の住宅ローンで悩んでいた。妻は毎晩謎の薬を飲ませるサンに疑惑を持ち、刑事ウェン(ラム・カートン)に相談するうち肉体関係を持つようになっていた。借金に追われるファイは、ヤクザのロンから執拗に強盗の仕事を持ちかけられている。株で失敗したモクは店をたたもうとしていた。

3人は名刺の人物チャンに連絡しようとするが、彼が死んだことを知る。しかも、チャンは大富豪だったのだ。3人が名刺に書かれていたURLを頼りに調べると、チャンはセントラルの政府ビルの下に秘宝を隠していた。地下に忍び込んだ3人は、棺に入った沢山の黄金が絡んだ礼服を見つける。

サンが怪しい行動をしているとリンから聞いたウェンは、サンが黄金の礼服を持っていることを知る。ウェンはモクの店に入ったサンを追い、礼服を奪うが、車の運転をサンに任せたため逆に人質になってしまう。借金の追いたてに焦ったファイは礼服を盗もうとモクの店に行くが、そこにモクも現れる。サンが礼服を持っていると知った2人は彼のいる場所に行く。リンもウェンの車を追ってそこに向かっていた。リン、ファイ、モクがサンの元に着くと、すきをついてウェンが礼服を奪い、車でリンをはねるが。。。

作品情報をたどって書いたが、見ているだけではここまでの情報が得られない。わかりづらい。

3人は運よく突如として大富豪と知り合うきっかけを持つ。出来過ぎと思う話で、何か不自然だなあという感じだ。説明不足の感が強く、しばらくは退屈だ。

しかし、すべての登場人物がそろい踏みとなった海辺の薄汚い海鮮料理屋での展開からは面白くなってくる。3人プラス妻に加えて、妻の恋人の警部、強盗話を持ち込む黒社会の男たち、道路の逃走劇を見て何かおかしいと感じる警官が加わり、唐の高官と思しきミイラーにかぶさった800万hk$程度の価値がある金貨を追いかける。そこにアル中の妙な男や海鮮料理屋のおばちゃんまでからむ。
ごちゃまぜといった印象だ。誰がゲットするのかを楽しむ展開となる。

拝金主義の典型ともいえる香港では、犯罪の動機が金目的ということが多そうだ。日本やアメリカでは資本主義なのにここまで映画でお金がテーマにならない。お金にしか頼れない国民性だろう。
ジョニートー独特のユーモア感ある締めは悪くない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする