映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

2022年好きだった映画10+10

2022-12-31 21:45:23 | 映画 ベスト
2022年好きだった作品

2022年結局観たのは190本(Netflix、amazon、名画座含む。DVDはほんのわずか)であった。前年201本までいかず。厳選して観にいくようにしているので、そこから約1割の20本選ぶのも難しいし、10本選ぶのはもっとむずかしい。たぶん普通の人が選ぶ作品と違うと思うけど、これが自分の好みです。下記番号は順位ではありません。題名をクリックするとブログ記事になります。

⒈コーダあいのうた


⒉猫は逃げた


⒊夜叉


⒋トップガン マーベリック


⒌サバカン


⒍スワンソング


⒎あのこと


⒏キングメーカー 大統領を作った男


⒐声 声なき犯罪者


⒑ハケンアニメ!


「トップガン マーベリック」は文句なしのナンバーワン、ケニーロギンス「デンジャラスゾーン」のイントロが流れて背筋に電流が走った。「キングメーカー」は金大中の選挙参謀に焦点をあてる。当選させるためには手段を選ばない強引な手口が面白い。「コーダあいのうた」は主人公のハートフルな歌声がこころに響く。手話で意思を伝える素朴な家族がいい。「あのこと」では、舐めるようなカメラワーク望まない妊娠に立ち向かうリアルな心理状態を追う。

「夜叉」はNetflix作品。韓国得意のクライムサスペンスだけど、猥雑な香港と瀋陽を舞台。「サバカン」がもつやさしいムードには心を洗われる。今年いちばん泣ける「愛なのに」も良かったが、今泉力哉監督がいつもより簡潔にまとめた「猫は逃げた」の方が自分にはよく見えた。「スワンソング」は不良老人のロードムービーで心地よい映画だ。

B級韓国映画の「声」振り込め詐欺が題材、こんな組織的に犯罪をやっているのかと驚く。「ハケンアニメ!」ではアニメ業界で懸命に働く主人公に共感を持てた。働き方改革で社会主義者のように没落した日本の働き手と違う主人公に共感をもつ。

上記10作に次いで自分が好きな10作を選択する。

⒈ウエストサイドストーリー
⒉声もなく
⒊ブラックボックス
⒋ちょっと思い出しただけ
⒌愛なのに
⒍渇きと偽り
⒎夜を走る
⒏エルヴィス
⒐あなたと過ごした日に
⒑3つの鍵

リバイバル「ウエストサイドストーリー」の存在意義を問う人もいるが、素直じゃない。前回に劣らないダンスシーンは出演者の鍛錬を感じる。韓国映画「声もなく」誘拐された少女と預かる裏社会の男との友情という今まで見たことない設定が楽しめる。フランスのサスペンス「ブラックボックス」は急展開の逆転ストーリーにジェットコースターみたいな感覚をもつ。

現代若者の偶像を描いた「ちょっと思い出しただけ」「愛なのに」「猫は逃げた」の3作がよかった。初老の域に入った自分には、理にそぐわない恋がよく見える。迷ってベスト10に「猫は逃げた」を入れたが遜色ない。「愛なのに」ではピンク出身の城定秀夫監督得意の男女の絡みシーンが観られる。

エリックバナが故郷オーストラリアに帰ってつくった「渇きと偽り」は上質のサスペンス。連邦捜査官が帰郷して自分にも関わりある未解決事件に関わる。誰が犯人でもおかしくない展開にしびれる。低予算B級映画のムード満載の夜を走るは別に夜のドライブだけでない。数々のハプニングに出くわす展開がおもしろい。

「エルヴィス」では、人気の出始めで腰ふるエルヴィスに女性ファンが熱狂するシーンに高揚感を覚える。「あなたと過ごした日に」ではコロンビアの公衆衛生専門の医師にクローズアップする。実話をもとにしたラテン系の明るさをもつシリアスドラマだ。「3つの鍵」はミラノの3階建高級アパートに住むそれぞれの住人たちの物語だ。ドッシリとしたワインを飲むような重厚感をもち見応えがある。


補足
ブルーバイユー
ボイリングポイント
千夜一夜
ザリガニの鳴くところ
ツユクサ
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映画「柳川」 中野良子&池松壮亮

2022-12-31 21:40:47 | 映画(アジア)
映画「柳川」を映画館で観てきました。

映画「柳川」は中国朝鮮族のチャンリュル監督による福岡県柳川を舞台にした中国映画である。映画ポスターの夜のムードが雰囲気良さそう。2011年の夏と2019年の冬の2回柳川でお堀を舟で遊覧したことがあり、なじみがある。中国人男女3人が主演だが、池松壮亮と中野良子が日本人俳優として加わる。

末期がんを宣告されたドン(チャン・ルーイー)が飲みながら兄チュン(シン・バイチン)を日本の柳川への旅に誘う。行く気のなかった兄に、柳川は中国読みでリュチュアンで、元恋人の名前と同じだと伝える。しかも、柳川に行方不明だった元恋人チュアン(ニー・ニー)がいるらしいと連れ出す。2人は柳川のバーで歌を歌っているチュアンと再会するとともに、宿泊している宿の主人中山(池松壮亮)や居酒屋の女将(中野良子)と交流する日々を描いていく。

予想通り柳川のお堀付近の映像はきれいだった。
人気のない街路のしっとりとした夜のムードも、船頭が誘導するお堀を遊覧する舟に乗る姿も優雅である。観ていてたのしい。美しいショットも数多く、エピソードも次から次へと盛りだくさんに出てくる。ただ、つぎはぎの感はある。つながりに流れがないのが残念である。(筆者撮影↓)


⒈中野良子
久々にみる。自分が中学から高校にかけての人気はすさまじかった。NHKの「天下御免」をはじめとしてTVドラマで見ない日はなかった。田宮二郎主演TVドラマ「白い影」での看護婦役がなぜか印象に残っている。

高倉健主演「君よ憤怒の河を渡れ」が中国で大ヒットした影響はその後も残っている。文化大革命の悪夢が明けたあとで、観れる映画も限られていただろう。オリンピックの開会式の演出もやった中国映画界の巨匠チャンイーモウ監督高倉健主演の映画をつくったくらいだ。当然ヒロインの中野良子はもてはやされる。

日本では忘れられた存在の中野良子もここではいい感じの居酒屋の女将を演じる。中国人兄弟の会話を絶妙に交わす会話は手慣れているプロの水商売の女将の雰囲気すらある。


⒉池松壮亮
中国人兄弟が泊まる古民家の民宿の主で、最初は大した役ではないのかと思った。ここで中国人兄弟と関係があった中国人女性チュアンとロンドンで出会い、君の名前と同じ「柳川」という町が日本にあるんだよと伝える。17歳の時にできてしまった15歳の娘がいる設定だ。

いつも通りのマイペースな演技である。
英語でチュアンと会話する。酒に呑まれる役で、いいところはまったくない。でも彼らしい感じである。


⒊柳川の町とと印象深いシーン
中国の朝鮮族だったというチャンリュル監督はかつて柳川の町を訪れたことがあったのであろう。そこで、ヒロインの名前が「柳川」を中国語読みしたリュチュアンという女性になったことや今回のストーリーの流れを思いついたと思われる。特に、お堀の近くの街路を中国人の3人が夜散歩するシーンが素敵だ。

でも、それだけではない。お堀をクロールで泳ぐ人を登場させたり、松岡修造が高校時代テニスに励んだ柳川高校の女子生徒が出演したり、柳川にルーツがあるジョンレノン夫人の小野洋子さんにつながる歌が流れたりする。おひな様がでてくる。確か、地域の領主だった立花家の邸宅で見たことがある。(筆者撮影↓)


ただ、いちばん素敵に見えたのは、自動販売機のそばでチュアンことニーニーがダンスするところ。かっこよかった。
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