映画とライフデザイン

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2022年キネマ旬報ベスト10を見て(洋画)

2023-02-03 21:44:35 | 映画 ベスト
恒例のキネマ旬報ベスト10が発表された。

日本の映画評論家筋の評価が集積するということで、いつもこのベスト10には注目している。おそらく審査員全員が代表作といえるものを観ているわけではない。抜けているものも多いのではないか。自分はたまたま今回の洋画ベスト10をすべて観て、感想をブログにアップしている。作品名の上をクリックください。


ただ、今年の洋画のトップに「リコリスピザ」が登場するのには驚いた。いくらキネマ旬報とは言っても、本来であれば、娯楽作品の頂点と言える「トップガン」がトップになるのが普通であろう。世の中には素直でない人も多い。意外な展開が生まれたのであろう。

1位の「リコリスピザ」は確かにおもしろい。見どころも数多く用意されている。でも、着想豊かなポール・トーマス・アンダーソンが、あれもこれもと題材を入れすぎた感じがした。2位の「トップガンマーヴェリック」にはいい刺激を受けた。ジェニファーコネリーの起用も絶妙だった。周囲には何回も観たと公言する連中もいる。娯楽の最高峰であるのは間違いない。


大好きなペドロアルモドバル監督「パラレルマザーズ」が3位となる。いつもながら完璧な色彩設計の映像が堪能できる。これも良いけど、前作の方が自分にはよく見える。脚本にアルモドバルらしい重層性が感じられない。ペネロペクルスは歳を重ねても美貌がかわらない。


4位の「クライマッチョ」は意外にも上位という感じ。90を過ぎて大人の恋を演じるクリントイーストウッドには頭が下がる。いつも思うけど、キネマ旬報ベスト10では過大評価されすぎてる感をもつ。5位の「アネット」は久々のレオンカラックス監督作品で、奇想天外な絵づくりをしたミュージカル仕立てだ。予算も豊富という感じで盛りだくさんの内容だけど、強く心には響かなかった。6位の「コーダ愛のうた」アカデミー賞作品賞を受賞したのには驚いた。障がいの夫婦を中心とした話自体が多様性を求める世界の時流にのったのでは?普通に健常者だった娘が自分にはよく見えた。この中では「トップガンマーヴェリック」の次に好きな作品だ。


7位の「ベルファスト」子ども体験の回顧はモノクロでいい映像だった。人形劇時代のサンダーバードが出てきて童心に戻れた。8位の「ウエストサイドストーリー」では完璧なダンスが見れてよかった。その中でもアカデミー賞助演女優賞を受賞したアリアナデボーズの迫力あるダンスはピカイチだ。主役2人がちょっと弱かった。ただ、リバイバルの存在意義を問う屁理屈人間には閉口する。


9位の「戦争と女の顔」では主役2人の熱演は認めても、説明が省略されすぎで自分にはわかりづらかった。10位の「あなたの顔の前に」では超絶長回しで難しい演技を要求される。人生の末期にさしかかった渡米した女優が韓国にもどって過去を振り返る展開だ。2作ともインテリ群の好みそうな映画だ。


今回はアジア系少なかった気がする。

コメント
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