映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

Netflix映画「神が描くは曲線で」バルバラ・レニー

2023-03-01 18:00:25 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
「神が描くは曲線で」はNetflix映画


Netflix映画「神が描くは曲線で」はスペイン発のサスペンス映画である。何気なくNetflixの画面を見ていて気になる。「マジカルガール」バルバラレニーが主演だからだ。同じくNetflix映画の「日曜日の憂鬱」でも強い印象を残したバルバラレニーは、精神病院内で起きた殺人事件の真犯人を見つけるために、精神に異常をきたしたふりをして侵入する私立探偵を演じる。

Netflixでは抜群の出来のミステリー作品だ。
スペインのペドロアルモドバル映画を思わせる不安感を感じさせる音楽が効果的に効いている。精神病院の患者は、誰もが曲者だ。猛獣がたむろうジャングルのようだ。映画館の大画面で観れば、もっとよかったと思うが、終始一貫何が起きてもおかしくない状況をつくり出す。

精神病院内でダミアン・デルオルモという患者が亡くなった。自殺として処理されたが、別の患者による殺人事件の疑いが強い。アリス(バルバラレニー)は事件に関心を持ち、夫殺し未遂がパラノイアのせいとされて精神病院に入院する。実はアリスは私立探偵で父親から息子の事情を聞き殺人事件の真相を知るのが主目的だ。

元々は病院内のスタッフや院長にも話が通じているはずだったが、様子が変だ。絶対おかしいとパラノイアとして扱われる。懸命に医師に説明しても通じない。しかも、重要人物と思った人物が他人だった。気がつくと、重症患者として隔離状態にされてしまう。


そんな展開だけど、観客の我々をいかにして騙すか?そんな監督の心意気が感じられる。おもしろい展開で進むのであるが、常に真実はどうなの?と疑う面が多い。

この映画は2回以上観ないと理解できないかもしれない。長い映画だけど、2度目で理解できたディテールがある。アリスは正気との前提でストーリーが進んでいる。観客にはアリスが罠にはめられたのかと想像させる展開をとる。病院内にはアリスの敵と味方の両方がいる。


この映画はいくつもの解釈ができるように脚本に迷彩が散りばめられている。かなり頭が錯乱させられたが、サスペンススリラーとして良い映画になっている。

ここ最近観たNetflixでは、最も印象に残る作品となった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする